「日中友好の前提となるのは相互理解」 日本人に中国を紹介したい
撮影のため竹内さんは毎月、少なくとも1回は日本へ帰り、中国と日本を行き来している。この2年ほどの撮影の中で、竹内さんは中国の若者の日本に対する理解の程度や理解しようとする熱心な態度が彼の想像を超えていたことが最も印象的だったとし、こうした若者たちは日本のアイドルやポップミュージック、ドラマなどを、時には自分より詳しく知っているほどなのだという。一方、日本の若者は中国の若者と全く逆で、中国のことをほとんど知らず、関心もない。そんな現状に、竹内さんは日本に中国を紹介したいと思うようになったという。
そして「日本のテレビ局にも中国を紹介する番組があるが、偏った情報が多い。僕は自分で感じた中国のおもしろいもの、文化を日本人に紹介したい」とその思いを語る。
竹内さんは、「友好は相互理解が前提であるはず。会ってすぐに『友達になろう』というのは、小さな子供のやり方。もっと成熟した関係を築くためには、まず客観的に相手のことを理解しなければならない。僕がやっているのは日本の情報を客観的に中国に伝えること。日本人も中国に関するもっと多くの客観的な情報がほしいと思っている」とした。
ただ、経費や人手といった制約もあり、「日本語版」の製作はまだ構想段階でしかない。しかし竹内さんは、「形式についてはじっくり研究しなければならない。単純に『僕がここに住む理由』をそっくりそのままコピーすることはできない。日本人に中国を紹介するためには、日本人が受け入れやすい形式を選択しなければならない」と全く焦る様子もなく語った。
「視聴者が見飽きるまで製作し続ける」
10月20日、「僕がここに住む理由」の公式微信アカウントの目立つところに広告バナーが掲載された。しかし、下のフォロワーらからのコメント欄に批判的な書き込みはなく、「おめでとう」、「ついに広告掲載。がんばって!」、「たくさん広告が掲載されることを願っている」など、励ましのコメントが寄せられた。竹内さんは、「ネットユーザーがこれほど理解あるのは、僕が微博でよくお金がないと嘆いているから。そのため、よく『監督らしくない』と突っ込まれる。フォロワーらも自然と製作チームにお金がないという現実を受け入れてくれている」と説明する。また、趙プロデューサーも、「当作品はとてもおもしろいが、利益を上げるのは難しい。内容とクオリティを守るために、監督はスポンサーの意見に左右されることは望んでいない。だから、プロダクトプレイスメントを採用するのは難しい。配信するプラットフォームの再生回数に基づく利益だけでは、製作に必要な費用や人件費を賄うのは難しい。そのため、製作グループはその他の旅行やグルメ関連の番組を製作することを検討している。これにより、広告やスポンサーを見つけやすくなることを願っている」と話した。
番組の知名度を上げ、もっと多くのスポンサーを見つけ、「僕がここに住む理由」が熾烈な中国のインターネット競争を勝ち残れるようにするため、どちらかというと「インドア派」の竹内さんも仕方なく外へ出て、講演やライブ配信、ソーシャルメディアやファンイベントに参加するなど、監督であると同時に、「経営」にもかかわるようになっている。それでも、竹内さんは、製作をやめることなど考えたことはなく、「視聴者が見飽きるまで製作し続ける」と話す。
「僕がここに住む理由」は来年初めには、放送100回目を迎える。その回では竹内さんが「監督」から「主人公」となり、ネットユーザーに向けて自らの中国での体験を語り、「亮おじさん」のさらにリアルな姿を伝えるという。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年11月17日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn