今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)では、天猫(Tmall)と淘宝(タオバオ)を合わせた取引額が1682億元(1元は約17.1円)に達し、京東商城の累計受注金額は1271億元を超えるなどして、相次いで記録が塗り替えられた。中国のネットビジネスの年に一度の祭典は、中国経済の力を映し出す鏡のようだ。最初の年の5千万元ほどの規模から現在の数千万元へ、年々加速し増加するデータには、中国消費市場の安定した急成長ぶりが反映され、さらに中国の消費者の消費バージョンアップに対する切実な欲求が照らし出されている。人民日報が伝えた。
過去5年間、消費という「馬車」は安定した速いペースで走ってきた。市場規模をみると、社会消費財小売総額は2012年の21兆元が16年は33兆元に増加し、13~16年の年平均増加率は11.6%だった。国民経済における消費の役割をみると、消費は11年以降、徐々に経済成長の一番目の牽引力になり、今年第1~3四半期(1~9月)には、最終消費支出の経済成長への寄与度が64.5%に達し、経済成長に対する消費の基礎的役割がさらに強固なものになった。
こうしたことを背景に、中国国民の消費構造のバージョンアップが徐々に加速する段階にさしかかっている。16年のエンゲル係数は30.1%で、国際連合が設定する「30%以下の富裕基準」の段階にあと一歩のところまできた。この段階に入ると、消費ニーズが多様化し、特に質に対する追求がますます高まるという。各国の発展経験をみるとわかるのは、国内総生産(GDP)一人あたり平均が8千ドル(1ドルは約113.8円)を超えると、消費ニーズは商品からサービスへより多く向かうようになることだ。多くの先進国はこの水準に到達した後、消費に回せる支出が5千ドル前後に達しており、現在の中国は同等レベルの消費支出が約4200ドルで、発展の可能性はまだまだ大きいといえる。
量の満足から質の追求へのバージョンアップ、形あるモノの追求からより多くのサービス型商品の追求への転換。このような中国の消費の「ダブル転換」が言われるようになった。供給と需要とそれぞれの不足を補うことが、未来の消費バージョンアップに対応し、消費の安定した増加傾向を保つ上でのカギになるとみられる。また中国共産党第19回全国代表大会の報告で提起された「経済発展に対する消費の基礎的役割の増強」を実現するためのカギでもある。
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