ジョン・マギー牧師が南京大虐殺の様子をひそかに撮影した105分にわたる記録映像は、あの大きな事件の動態映像として現在も残る唯一のフィルム作品。ジョン・マギー牧師の孫であるクリス・マギー氏は、祖父が残した作品をリメイクして、さらに発展させる計画をこのほど明らかにした。新華社が報じた。
ジョン・マギー牧師は、南京大虐殺時、自身の危険を顧みず、16ミリビデオカメラで貴重なシーンを撮影。このフィルムは旧日本軍による残虐行為の動かぬ証拠となった。偶然にも、マギー牧師の孫であるクリス・マギー氏はプロカメラマンになった。彼は、祖父の日記、古い写真、古いフィルムを通して南京大虐殺という史実を理解した。特に、大虐殺の生存者の一人である夏淑琴さんの子供の頃の写真に、彼は深い感銘を受けた。
クリス・マギー氏は、「これらの写真やフィルムを観るたびに、耐えられない思いに襲われた。もし旧日本軍が南京を占領していなければ、南京の人々は非常に幸せに生活していた。そのような気持ちから、私は『南京をもう一度撮ろう』と思い付いた」とクリスさんは話した。
撮影素材は次の3つの部分から構成する計画だという。
1.マギー牧師が1937年に撮影した南京大虐殺の記録フィルムから建物や通りをピックアップして、80年後同じ場所で撮影する。
2.民国時代の南京を撮影した古い写真のうち、時代の特色が良く表れているものを選び、同じ場所で撮影する。
3. 時代の特色が良く分かる今の新しい南京を撮影し、南京の変化・発展について展示する。
撮影は3段階に分けて行われる計画で、今年10月、クリスさんは撮影第1弾を終了した。今月24日、彼は南京で撮影第2弾に取り掛かった。
連日、祖父が撮影した南京を辿って撮影しているクリスさんは、なんとも言えない複雑な境地に陥り、驚き、感傷、喜びなどの様々な感情が次から次へと心に湧き上がってくるという。「この写真を通じ、中国と欧米が繋がり、より多くの人が南京大虐殺という歴史を理解するよう望んでいる。また、この作業によって、過去と未来が繋がり、過去を記念し、歴史を偲び、南京と南京市民の新たな気運が現れるよう願っている」とクリスさんは述べた。
中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館の張建軍・館長によると、撮影終了後、写真集の発刊と作品展の開催が続けて行われるという。今年12月13日の第4回南京大虐殺犠牲者国家追悼日式典には、クリス・マギー氏も海外関係者の子孫代表として参加する予定という。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年11月27日
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