南京大虐殺発生80周年を記念して、江蘇省文化投資管理集団と江蘇省演芸集団が共同で発案し、江蘇大劇院が制作・上演するオリジナルオペラ「ラーベの日記」のリハーサルが終盤を迎えている。同オペラは12月13日の「南京大虐殺記念日」に初公演を行うという。中国新聞網が伝えた。
江蘇大劇院は「ラーベの日記」初公演1ヶ月前となる今月14日、記者会見を開き、同オペラが3回連続公演されることを発表した。同オペラ制作のメインスタッフチームも記者会見場に駆けつけ、その舞台裏エピソードなどを明かした。
「ラーベの日記」のリハーサルする現場
1937年から1938年にかけて旧日本軍が南京に侵攻した期間、ジョン・ラーベは南京安全区国際委員会委員長を務めており、多くの中国人を旧日本軍による殺戮から救った。ジョン・ラーベがその期間中に書き残した「ラーベの日記」は、旧日本軍が第二次世界大戦中に行った暴行を示す確固たる証拠となっている。
江蘇省文化投資管理集団の副総経理、江蘇大劇院董事長の葉氏は、「このオペラは80年前に発生した旧日本軍による南京大虐殺を背景として、そのような過酷な状況の中で、中国で生活する外国人が人道主義の精神を貫き、安全な場所を確保し、南京の一般市民を保護する姿を描いている。このオペラの脚本は昨年12月に制作が始まり、10回書き直され、今はリハーサル段階に入っている」と説明した。
「ラーベの日記」のリハーサルする現場
今回のオペラの制作・演出には中国、米国、英国、ドイツ、オーストラリアの優秀なスタッフが集結。そのうち、中国の作曲家である唐建平氏はオペラ制作チームの総監督及び作曲を担当し、世界的に有名な指揮者の呂嘉氏は今回指揮を担当する。
唐建平氏は、「南京大虐殺は特別な歴史的意義があり、このオペラでは、平和を愛し、人道主義を貫いた外国の友人に対する、中国の人々の感謝の気持ちを表現しているだけでなく、オペラという世界共通の言葉を通じて歴史の真実を再現している。このオペラでは、血なまぐさい殺戮場面を強調するのではなく、苦難に満ちた日々の中で、人々が互いに励ましあう姿や、恐怖に立ち向かい、困っている人々を勇敢にも保護した外国の友人の尊い精神を音楽で表現している」とした。
同オペラの監督を務めたナイジェル・レビンス氏は記者会見場で、「南京大虐殺が行われていた期間、様々な国からやってきた人たちは暴力に屈せずに南京に留まり、暴行を受けている市民たちに救いの手を伸べた。今回、様々な国から集まった国際的な制作チームが南京を訪れ、アートという形で当時の暴行や義挙の様子を表現する。これはとても意義深い記念となる」と語った。(編集YK)
「人民網日本語版」2017年11月18日
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