中国では現在、「空の巣老人(子どもが巣立った後に残された高齢者)」に続き、一人暮らしの生活で孤独や不安を抱えている「空の巣青年」が社会問題となっている。最近、浙江省杭州市のある90後(1990年代生まれ)の若者は、「一人でご飯を食べるのは寂しすぎる」という理由から中古品取引プラットフォームで自宅のキッチンを貸し出している。
キッチンは1日50元(約830円)で貸し出されており、材料を準備する必要もなければ、決まったメニューもなく、ただ作った料理を一緒に食べればいいだけ。ソフトドリンクやアルコール類も揃っていて、レンタルした人と一緒に食事のひと時を楽しむのを待つばかりとなっている。貸し出し内容を紹介する文面からはとても気軽な感じを受けるが、実のところ「空の巣青年」たちの苦悩が見え隠れしている。現在「空の巣青年」は5000万人を超えているとするネットユーザーの数は少なくない。彼らは故郷の家族や友人の元を離れ、都会で孤軍奮闘しているが、一人暮らしや日々の暮らしの中における様々なプレッシャーが彼らをより孤独にしている。適当に飲んで食べて50元というのは、元をとるのも難しいかもしれないが、孤独の寂しさを解消することはできるかもしれない。(編集TK)
「人民網日本語版」2018年3月5日
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