極端な表現方法はなく、「食べ物」が主役の座をキープ
「人生一串」の主なターゲットは若者であるものの、二次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)文化を強調しすぎることはなく、中国全土の約30都市に足を運んで、しっかりとした取材を行っている。そして、紹介されている内容を見ても、極端に感情に訴えたり、くどくどしていたりすることはなく、串焼きの現状をリアルに伝えている。その主役はもちろん「食材」で、全ての内容がテーマから離れることはなく、人文や地理的なことを紹介するのに無駄に時間を費やしていない。串焼きの店を出している店主や客らの声も紹介され、リアル感が増し、見る人が親しみやすい内容もあるものの、うまくリズムが制御され、一言二言にうまくまとめられている。
インターネットプラットフォームがドキュメンタリーのモデル転換を促進
16年に、故宮で文物修復をする職人にスポットを当てた「我在故宮修文物」が、Bilibiliで大人気になり、最近では、「国家宝蔵(NATIONAL TREASURE)」、「假如国宝会説話(Every Treasure Tells a Story)」、さらに「人生一串」がヒットしている。現在のドキュメンタリーはインターネット、新技術のサポートの下、若者の別の一面を映し出している。
「中国ドキュメンタリー発展研究報告(2018)」によると、ある統計では、17年、中国ではドキュメンタリーの製作に合わせて前年比14%増の39億5300万元(約644億3400万円)が投じられ、年間総生産額は同比15%増の60億2600万元(約982億2400万円)に達し、ニューメディアが中国のドキュメンタリー市場において3番目に大きな主体となっている。
陳英杰氏は、「今後、インターネットがドキュメンタリーを放送する非常に重要なプラットフォームになるだろう。なぜなら、ドキュメンタリーは通常、情報量が多く、インターネットなら、いつでも何回でも見ることができ、情報を十分に取得できるから」との見方を示す。
また、業界関係者は、「クオリティーの高いドキュメンタリーが現在、若者を含む多くの人の硬直的需要(値段の影響を受けにくい需要)になっている。そのような需要が、プラットフォームに影響を与え、中国のドキュメンタリー業界の市場化、産業化が進むだろう」と予測している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年7月30日
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