中国抗日戦争勝利73周年を記念して、中国社会科学院近代史研究所において、2日午前、「抗日戦争と近代中日関係文献データベース」が正式にリリースされた。このプラットフォームには、約1千万ページにおよぶ文献資料が集められており、さまざまな種類の文献を同一プラットフォームで検索することを実現し、一般の人々はいつでもどこでも無料で利用することができる。北京晩報が伝えた。
抗日戦争文献データベースは、近代史研究所が所蔵している資源に依拠し、国家図書館や国内外のさまざまな大学などの機関と協力し、膨大な量の文献資料を整理・アップロードしたもの。同データベースは、2017年10月にリリース試行が行われ、「公益開放・無料サービス」という理念を堅持し、全世界の学術界、研究界および一般の人々に無期限で無料サービスを提供する。今年8月末の時点で、同データベースには、書籍約1万1千冊、新聞約400種類、定期刊行物約1千種類、総計約1千万ページの各種資料がアップロードされており、抗日戦争研究における重要な拠点となっている。
抗日戦争文献データベースの一番の特徴は、共産主義・共産党関係の文献が多数取り揃えられている点であることが、データベース開通発表会において明らかにされた。データベースには、抗日戦争中に共産党ゆかりの各地が編纂・出版した書籍、「紅色中華」、「解放日報」、「晋綏日報」など著名共産主義・共産党関連紙などを含む約200種類の共産主義・共産党関連文献が収められている。このほか、データベースには、米コロンビア大学東アジア図書館が所蔵する「エヴァンス・F・カールソン中佐による記録」電子版(完全版)も収蔵されている。この記録は、当時の外国人が見た中国共産党指導下の八路軍が敵の後方で抗日拠点を開拓した史実を伝えている。
中国社会科学院の李培林・副院長は、「このデータベースは、グローバル化・デジタル化時代の発展すう勢に適応するために構築されたのと同時に、歴史や文化を自信のある態度で直視した結果でもある。具体的な用途については、抗日戦争データベースは、学術資源のバランスの取れた配置を大きく促進し、二・三線都市の大学で歴史学を専攻する教員・学生の資料が無い状況で学ぶという苦境を解決し、質の高い革新型研究に没頭することを可能にしている。同時に、市民が至近距離で歴史に触れ、愛国主義歴史教育を受けられるようになった。データベースに収蔵されている歴史資料は、中華民族が祖国を愛し、凶暴さを恐れず勇敢に立ち向かった偉大な抗戦精神をまざまざと示している。また、各地の博物館や展示館、小・中高校と協力して、様々なルートを確保することで、データベースは、歴史研究・歴史教育・愛国主義教育を一体化した総合プラットフォームとして確立されることになる」とした。
データベースにアップされる文献の総量は、今後5年以内に、日本アジア歴史資料センターを上回ると予想され、世界最先端の抗日戦争ひいては近代中日関係研究の史料プラットフォームとなる見込み。李副院長は、「データベースの構築とさらなる完備によって、中国抗日戦争および近代中日関係史の研究は最大限推進されることになる」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年9月4日
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