数千点の黒い石器が標高4600メートルのチベット尼阿底遺跡に埋蔵されていた。これはこの美しい石器の持ち主が4万年前に、世界の「屋根」と呼ばれるチベット高原の奥地に到達していたことを示している。中国青年報が伝えた。
科学者によると、4万年というのは、現在までに判明している発見の中で、人類がチベット高原に足を踏み入れた最古の時期だ。また標高4600メートルというのも、紀元前の人類の高標高地域において生活する最高記録となっている。この発見はチベット高原の歴史、紀元前の人類の高標高における過酷な環境に適応する能力に関する認識を改めた。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の高星研究チームは、チベット自治区文物保護研究所と共に2013年に同遺跡を発見した。同遺跡はラサから北東約300キロの那曲県に位置し、面積は約2平方キロメートル。北は色林錯湖と錯鄂湖に隣接している。ここは4万年前、比較的温かな湖畔だった。
これらの最も早く高原に足を踏み入れた冒険者たちは、誰だったのだろうか。考古学の証拠は、中国西北部及びシベリアの初期の現代人、もしくはデニソワ人の可能性を示している。今までの遺伝学の分析によると、チベットの人々は3−5万年前にシベリアのデニソワ人から、寒さに強い遺伝子を受け継いだ可能性があるという。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年12月3日
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