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自国で売れない日本の高級コメ 中国での販路拡大目指す

人民網日本語版 2018年11月30日15:10

気がつけば、日本のコメを何袋も抱えて帰国するのが、日本を訪れた中国人観光客の定番になっている。今やこのようなコメを抱えて帰国する訪日客の人数は以前ほど多くなく、わずかの間のこうした変化の背景にはさまざまな原因が考えられ、その1つとして日本のコメがますます中国大陸部の市場に進出するようになったことが挙げられる。一財網が伝えた。

長年にわたり、中国の巨大なコメ消費市場が海外のサプライヤーたちの注目を集め、特に近い距離にある隣国・日本の期待が高い。日本最大のコメ卸売企業・株式会社神明はこのほど、泉膳(中国)投資有限公司と提携して、日本北部の富山県産コシヒカリを中国市場に持ち込んだ。展示会場に行くと、コシヒカリを使った牛丼の器がずらりと並び、おいしそうなにおいが漂っていた。

神明中国法人代表を務める成都栄町食品有限公司の趙一鳴社長は、「現在、神明が中国に輸出する日本のコメは100トン余りしかない。当社は中国市場を非常に重視しており、2020年にはコメの対中輸出量を現在の20倍に拡大して、2千トンに増やす計画だ。また25年の輸出量は現在の100倍に増えて、1万トンを目指す」と述べた。

現在、神明のコシヒカリは主に日系スーパーとECプラットフォームで販売されており、ECサイトを見ると販売価格は2キログラム148元(約2416円)だ。趙氏によれば、「この価格は日本の小売価格の2倍だが、中国市場で売られている日本からの輸入米の中では、最も安い小売価格だ」という。

神明はコシヒカリだけでなく、今年9月には兵庫県産のコメも含めて25トンを中国に輸出した。

▽日本では売れていない

ここ数年、日本のコメが日本でたびたび売れないという困った事態に直面している。特に高級ブランド米がそうだ。

日本農業研究所の研究によると、日本では食品の種類がますます豊富になって多様化し、若い人の飲食習慣が変化していることから、米の消費量が減少を続けている。統計をみると、1961年は一人あたり年平均118.3キログラムを消費していたのが、17年は54.4キログラムと半減した。

日本国内でのコメの消費量が減少したため、コメ農家の人数と収入も減少した。日本全体での人口減少も消費量減少に拍車をかけた。

日本国内市場は縮小を続けているのに対して、日本のコメ生産量はどんどん増えている。日本の農林水産省のまとめたデータによると、17年の日本産コメの輸出量は約1万2千トンで、初めて1万トンの大台を突破した。そのため、業界のアナリストは、「このようなコメの販路拡大は、日本政府にとって、消費増税に匹敵する重要性をもつ」との見方を示す。

ここ数年、日本貿易振興機構(ジェトロ)が日本のコメの販路拡大という重大な役目を担っている。ジェトロ上海事務所の小栗道明所長は、「日本の農林水産業の一層の発展を促すべく、昨年の農林水産物の輸出額は8千億円に到達した。安倍政権の計画では、来年この数字は1兆円に達する見込みだ。これは現在は2020年の目標額で、安倍政権は前倒しで達成したいとしている」と述べた。

具体的なコメおよびコメ加工品の輸出について、安倍政権の計画では、19年の輸出規模を600億円にするという。だが同省のデータをみると、16年のコメの輸出量は実際には9986トン、輸出額は27億円にとどまった。目標達成に向けて、安倍政権は日本国内の輸出業者59社と産地250ヶ所および生産者団体に対する一定の政策的支援を通じて、量の飛躍的増加を達成したいとしている。


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