研究によると、肉料理のウォーターフットプリントは野菜料理を遥かに上回り、牛・豚・鶏・アヒルのどの肉を使っても、1品のウォーターフットプリントはほぼ2000リットル前後となる。なぜなら肉の原材料の他に、これらの料理には調味料及び香辛料を使わなければならないからだ。例えば塩漬けダックの「塩水鴨」の場合、アヒルの他にも塩、八角、桂皮、クミン、ソウズク、クローブ、生姜、ネギ、紹興酒、氷砂糖、白酢、油、スープの13種類を使う必要があるが、そのすべてがウォーターフットプリントを生む。
一方であっさりした味付けの調味料を使い、作り方がシンプルな肉料理はウォーターフットプリントが少なめになっている。例えば50グラムの鶏卵でワケギとエビの茶碗蒸しを作った場合、そのウォーターフットプリントはわずか64.26リットルだ。
学生たちはまた、デザートのウォーターフットプリントはそれほど多くないことを発見している。200グラムのもち米で小豆と酒粕の白玉団子を作った場合のウォーターフットプリントは571.18リットルだが、500グラムのもち米で草だんごを作った場合は1194.67リットルとなる。これは餡に小豆やごま油などウォーターフットプリントの多い原材料を多く用いるからだ。
◆科学的知識をいかに若い人に知ってもらうか?
南京大学環境学院の程明今さんはこの研究を行った初志について、「中国では近年、科学技術がハイペースで発展しているが、人々の科学に対する素養は完全には追いついていない。この問題は水の科学普及分野にも見られる」とした。
現在の水の科学普及において、「蛇口は使い終わったらすぐに閉める」や「米研ぎ汁で皿を洗う」などが唱えられている。確かにそれは正しいのだが、こうした内容を更新していく必要がある。学生たちはより多くの人に南京料理のウォーターフットプリントを知ってもらうため、こうした無味乾燥なデータとグラフを創意あふれる作品に仕上げた。豚の成長過程や塩漬けダックのウォーターフットプリントなどをカラーイラストにしたり、これらのイラストを用いてショルダーバッグやTシャツ、ラッピング袋、コースターなどを作っている。
このような若者が好むスタイルでややハードルの高い学術的な概念を広め、若い「食いしん坊」たちの心をつかんでいる。ウォーターフットプリントを計算することで、数字として目視できるようになるので、今後は水を浪費することに対し、心理的プレッシャーを感じるようになるかもしれない。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年1月10日
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