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「反グローバリズム」は歴史の大勢ではない

人民網日本語版 2019年01月22日10:29

習近平総書記は改革開放40周年祝賀大会で「われわれは開かれた、透明で包摂的かつ非差別的な多角的貿易体制を支持し、貿易と投資の自由化及び円滑化を促進し、経済のグローバル化のより開放的・包摂的で、あまねく恩恵をもたらす、均衡的かつウィンウィンの方向への発展を後押しする必要がある」と強調し、中国の一層の対外開放拡大の方向性を指し示した。(文:薛力・中国社会科学院世界経済・政治研究所研究員。人民日報掲載)

世界を見ると、経済のグローバル化は近年「渦巻き」に遭遇している。歴史的には欧州の対外拡張と産業革命が初期の経済グローバル化の二大原動力と見なされ、国際的な産業分業を促進した。特に冷戦後、米国主導の国際市場体制が世界に深い影響を与え、国際的な産業分業が急速に進行した。その結果、先進国が圧倒的多数の産業のハイエンドを独占し、ローエンドは途上国へとシフトし、ミドルレンジは先進国と途上国に分散した。こうしたグローバル化の趨勢は全体として世界の福利水準を押し上げたが、先進国の産業空洞化も加速し、一部の労働者を「グローバル化の被害者」にした。彼らの訴えが、先進国の反グローバリズム思想を支えている。

途上国を見ると、世界の経済成長への寄与率が次第に高まっている。新興国に代表される途上国は経済グローバル化の受益者であり、グローバル産業チェーンにおける地位をさらに高めることを望んでいる。このため、経済グローバル化のさらに質が高く均衡的な方向への発展を支持している。また、先進国の比較優位はやはり産業チェーンのハイエンドに集中し、これが国民総生産(GNP)の大部分に寄与してもいる。こうした分野の従業員、各種機関の中上層部及び末端の一部は、依然として経済グローバル化を揺るぎなく支持している。従って、より長期的な視点で見ると、一部先進国に生じている反グローバリズム思想は局部的、一面的であり、支流だ。

経済グローバル化の大きな潮流の中で、中国経済は数十年間急成長を維持し、世界第2の経済大国となった。この成果は、中国のような人口大国は対外開放を拡大し続け、グローバルな競争に積極的に参加して初めて、大きな発展の活力を引き出すことができることを示している。

現在、中国経済の成長は内外両面で試練に直面している。国内的には、人件費が上昇し、環境圧力が大きく、投資牽引型経済はボトルネックを抱えている。こうした中、中国は粗放な経済成長モデルの転換を加速するべきだ。そのための措置としては▽戸籍制度改革を通じて都市化を促進し、消費需要を刺激する▽職業教育制度の改革を進めて、製造業の高度化を支える▽科学技術革新を通じて世界的競争優位産業を育成することで、グローバル産業チェーンにおける中国の地位を高める――などが挙げられる。

国際的には、世界経済の成長鈍化、保護貿易主義の台頭などが将来の不確定性を高めうる。中国に代表される新興国は経済グローバル化の受益者だが、中国が世界をリードする水準に達している産業分野は数少ない。従って、経済グローバル化の遭遇する「渦巻き」を前に、中国が閉鎖によって閉鎖に対抗することがあってはならず、さらに広範囲の開放を推し進めなければならない。1つには、開放によって改革を促し、経済発展における障害を取り除き、中国の潜在的な比較優位を発揮し、中国経済の「大」から「強」への転換を実現に導き、「中国の夢」の実現のために強固な経済的基盤を築く必要がある。もう1つには、経済グローバル化を支持する途上国と先進国の勢力を団結させ、経済グローバル化を共に推進し、未来の新天地を切り開く必要もある。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年1月22日

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