新年早々、元徴用工への賠償をめぐる裁判のために日韓両国の対立が激化し続けている。日本側は「日韓関係の基礎を揺るがした」として韓国側のやり方を非難。韓国側は日本側に「司法判決の結果を尊重し、歴史的事実を正しく認識する」よう要求している。日本側が9日、「日韓請求権協定」に基づく政府間協議の開催に同意するか否か30日以内に回答するよう要請したことについて、韓国側は15日、回答時期は確定できないと応じた。徴用工訴訟以外に「慰安婦」問題、火器管制レーダー照射事件をめぐっても外交紛争が継続しており、すでに日韓関係は全面的に冷え込んでいるようだ。法制日報が伝えた。
■日本が韓国に最後通牒
日本政府が「日韓請求権協定」に基づく政府間協議の開催を要請したことについて、韓国政府は15日、日本側の要請を真剣に検討した後に回答するが、回答時期は確定できないし、日本の求める「30日以内」になるとは限らないと応じて、日本政府の突きつけた「最後通牒」を事実上「無視」した。
韓国大邱地方裁判所が先日、元徴用工への賠償に充てるため新日鉄住金の韓国内資産の一部差し押さえを認める決定を下した後、日韓の対立は急速に激化した。日本の安倍晋三首相は韓国側の行動を「極めて遺憾」とし、対抗措置の検討を関係省庁に指示した。秋葉剛男外務次官は9日、韓国の駐日大使を呼び出し、「日韓請求権協定」に基づく政府間協議の開催を要請すると伝えた。日本は協議開催に同意するか否か「30日以内」に回答するよう求め、韓国に「最後通牒」を突きつけた形となった。
徴用工訴訟をめぐる日韓の争いには長い歴史があるが、対立が激化し始めたのは昨年だ。18年10月30日、韓国最高裁は、第2次大戦時の韓国人徴用工4人が日本企業の新日鉄住金を相手取り、未払い賃金と賠償金の支払いを求めた訴訟で、原告1人当たり1億ウォンの賠償を新日鉄住金に命じる判決を下した。また、「日韓請求権協定」は個人の賠償請求権を妨げるものではないとの判断を示した。その後、韓国最高裁は三菱重工や日立などの日本企業に対しても同様の判決を下した。これによって徴用工訴訟をめぐる対立は急速に激化し、政府間の外交的対立にまでエスカレートした。
韓国側の一連の判決を受けて、日本は韓国のやり方を明らかに「日韓請求権協定」への違反と批判。同協定に基づき日韓間の歴史的賠償問題はすでに完全に解決しており、徴用工への賠償は韓国政府の責任だと主張している。一方韓国側は、司法判決の結果は尊重せねばならないとして、判決に従うよう日本企業に求めている。
「日韓請求権協定」に基づく政府間協議の開催には、日韓双方の同意が必要だ。2011年には韓国側が「慰安婦」の請求権問題について同協定に基づく協議開催を要請したが、日本政府は拒否した。
現時点ですでに韓国政府が司法の判決を尊重すると表明しているため、日本側の協議要請で膠着状態を打開できるか否かは不透明だ。日本メディアの報道によると、日本政府は「日韓請求権協定」に基づく外交協議や仲裁委員会への付託でも問題を解決できなかった場合、国際司法裁判所に提訴することを検討する可能性があるという。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年1月22日
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