資金問題を解決するために自宅を売却、現在は借家暮らし
李春輝さんの双子の娘。
教育トレーニング関連の会社を経営する李さんだが、資金繰りは常に極めて厳しい状態だった。「離婚したときは、ほとんど身一つだった。当時は郊外に家を一軒持っていたが、あとになって資金繰りに行き詰ってその家も手放した。それからは今もずっと借家暮らし」と語る李さんにとって、最も辛かったのは、2人の娘を連れて、「北漂(外地から北京にやってきて、生活・働く人)」をしていた日々だったという。当時、高校1年を終えた娘たちと一緒に北京にやってきて、最高レベルの先生のもとで学び始めた。「娘たちが授業を受け続けるため、私たちはあちこちに引っ越した。ただただ娘たちの音楽の夢を叶えることが目的だった」と李さんは当時を振り返った。
そして李さんは、「現在、娘たちには年間80万元(1元は約15.89円)かかっているが、会社の収入だけでは全然足りないので、他にも別の仕事をしている。こうしたスタイルで娘たちを育てているので、誰からの支援も受けられないし、娘の学籍もなくなってしまい、中国国内の通常の試験にも参加できなくなってしまった。そのリスクは大きすぎた」とし、自分がやって来たことは果たして正しかったのかと自問することも多かったと語る。それでも、「長女と次女が海外生活に慣れて1、2ヶ月経ったころ、2人が突然、私に、『ママには本当に感謝している』と言ってくれた。その時、私はやっとこれまでの全ての努力や決断はどれも価値のあるものだったと納得できた」と語った。
そして、「今、私がこんなことを話すことができるのは、成功したから。もし成功していなかったらきっととてもつらかったと思う」とした。