中国の国産品といえば、「品質はまずまずだがデザインが古くさくて、値段が安いもの」と思っていないだろうか。今は違う。政策の後押し、科学技術の発展、新しい消費の台頭などを受けて、ますます多くの国産品が主体的にモデル転換とバージョンアップをはかり、市場のニーズとのマッチングを試み、中国内外で消費者に認知されるようになった。国産品ブランドの多くがこれまでの印象を打ち破り、まったく新しいイメージで登場し、人気を集め、歓迎され、流行を牽引する新しいトレンドになった。人民日報海外版が伝えた。
北京市の南鑼鼓巷にある「新国産品」の店。(撮影・王俊嶺)
▽老舗が「ネット人気者」に
浙江省杭州市出身の孫輝さんはスニーカーのコレクターで、毎年数万元(1元は約15.8円)をスニーカーに使う。「これまでは主に海外有名ブランドの限定モデル、スペシャルエディション、プレイヤーエディションに注目してきた。だがこの前手に入れたのは『李寧悟道』だ。デザインや理念が独特で、中国人ならではの『自ら省み、自ら悟り、自ら創る』精神が込められていると同時に、西洋のモダンなシルエットも兼ね備えて、これまでの国産スニーカーとはかなり違っており、とても気に入っている」という。
世界のファッション界に初めて登場した「李寧悟道」シリーズのファッショナブルなコレクションは、市場に投入されるやいなや完売した。発売元のスポーツ用品メーカー李寧有限公司はブランドイメージの再構築に力を入れ、国際的イメージの「流行ブランド」に変身した。決算によれば、2018年のブランド事業営業額は前年比300%の成長を達成したという。
業界関係者によると、デジタル経済の時代にあって、消費者は中国で創造され、中国で革新を遂げた製品を「新国産品」と呼ぶことが多い。先日3回目を迎えた「中国ブランドデー」(5月10日)では、天猫(Tmall)、京東、蘇寧などのEC大手が「新国産品」をめぐって相次いで事業展開を行った。例えば、阿里巴巴(アリババ)は「新国産品」計画を発表し、全国の産業クラスター1千ヶ所の全面的デジタル化バージョンアップを支援することにした。具体的には、年商10億元以上の国産ブランドを200ブランド生み出し、老舗200社を年商1億元以上になるように支援し、年商500万元のクリエイティビティに特色がある淘宝(タオバオ)業者20万社を全面的な支援を行う。また、天猫国際(Tmallグローバル)、Lazada、全球速売通も国産品企業70万社の海外進出を支援する、などだ。
京東が発表した「『新国産品』消費トレンド報告」によると、ECプラットフォームが「新国産品」の発展建設で果たす推進的役割は、主に地方ブランドの全国進出、中国ブランドの海外進出、老舗ブランドの「ネット人気者」への変身というところに帰結しているという。
ECが「新国産品」市場の事業展開を積極的に進めるのは、消費が中国の経済成長を牽引する一番目の原動力だからであり、「新国産品」の売れ行きが好調で、収益力が高いからでもある。国家統計局がまとめた最新のデータによれば、19年第1四半期には、最終消費支出の経済成長への寄与度は65.1%だった。18年には中国のオンライン小売額が9兆元を突破し、このうち実物商品の小売額は7兆元に達して、社会消費財小売総額の成長への寄与度は45.2%に達した。国産品ブランドの売り上げは安定した増加傾向を保った。