諸葛找房データ研究センターがこのほど発表した報告によると、中国の一線都市のワンルームマンションで一人暮らしをすると、所得の約6割を占める家賃を支払わなければならないとしており、北京や上海、深センとなると、その割合が9割以上にまで上昇する。ルームシェアの場合でも、一線都市では所得の30%以上を占める家賃を支払っているのが現状だ。一財網が伝えた。
同報告の家賃は、2019年4月のデータを基にしているのに対して、所得は中国統計局が公表している2018年都市部・農村部の住民の平均所得を基にしている。
報告によると、北京、深セン、三亜、上海の4都市では、1人で1つの物件を借りた際に家賃が所得に占める割合が他の都市を大きく上回っており、90%以上に達している。三亜や廈門(アモイ)などの人気観光都市では、ルームシェアの場合でも家賃が所得に占める割合が高くなっている。
家賃が所得に占める割合は、その都市で生活するうえで感じる負担の大きさを反映していると言え、負担が最も大きいのは一線都市であることに疑問の余地はない。一部の二線都市もその割合が高くなっており、杭州や大連、重慶、哈爾浜(ハルピン)などは割合が高い都市ランキングで10位以内にランクインしている。近年、中国では各都市が人材争奪戦が繰り広げており、その戦いで最も優位に立っているのが成都。西安がその後に続いている。
同様に人材政策が功を奏している無錫や常州などは、力強く経済発展しているのを背景に、家賃が所得に占める割合は、多くの人の許容範囲となっており、ワンルームマンションで一人暮らしする場合は35%未満、ルームシェアの場合はわずか15%となっている。
家賃が所得に占める割合は、家賃の絶対値だけではなく、所得の高さにも目を向けなければならない。その割合が最も高い都市10都市を見ると、一線都市は所得が高くても、家賃も高いためそのメリットは少なく、所得から家賃を引いた後の可処分所得は決して多くない。
ワンルームマンションの家賃の絶対値を見ると、3000元(1元は約15.8円)が分かれ目となっており、1ヶ月の家賃が3000元以上の都市は全て家賃が所得に占める割合ランキングでトップ10に入っており、家賃が大きな負担となっている。所得から家賃を引いた後の可処分所得ランキングでは、経済が発展した長江デルタ経済圏の都市が1-5位を占め、珠江デルタの中山や仏山、東莞も家賃が所得に占める割合が高くなっている。
報告は、25の一線都市、二線都市を選び、ワンルームマンションで一人暮らしをする場合に家賃が所得に占める割合を60%を一つの区切りとして4種類に分けている。家賃が所得に占める割合が60-100%でを住民一人当たりの平均可処分所得が4000元以下の「低所得・高家賃」にランクインしている都市は一つもなく、二線都市のほとんどは所得も家賃も低く、東北地域の省都の都市や成都・重慶は全て家賃が所得に占める割合が0‐60%で、住民一人当たりの平均可処分所得が4000元以下の「低所得・低家賃」に分類されており、北京と上海、広州、深セン、杭州は当然ながら家賃が所得に占める割合が60‐100%で、住民一人当たりの平均可処分所得が4000元以上の「高所得・高家賃」に分類されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年6月1日