このほど発表された「2018年若年層の住宅賃貸をめぐるビッグデータ報告」によると、人口流動や居住観念、政策の改善など様々な要因に後押しされ、中国における賃貸住宅市場は拡大し続けており、「90後(1990年代生まれ)」と「95後(1995年から1999年生まれ)」の若年層が、賃貸住宅借主の主力軍となっている。また賃貸料が、若者たちが住宅を借りる際、最も重視するポイントとなっている。人民網が伝えた。
同報告は、第一財経商業データセンター(CBN Data)が発表したもので、「90後」や「95後」を代表とする若年層の借主をめぐる住宅賃貸生活の新動態を分析しており、彼らの住宅賃貸すう勢が深く掘り下げられている。
報告では、中国の賃貸住宅市場は今後も成長し続けると予測されている。また賃貸住宅市場の中で、直接賃貸プラットフォームが次第に台頭している。直接賃貸というスタイルならば、高額の仲介手数料を支払う必要がなく、情報の透明性がさらに高く、契約までの期間も短縮できることから、若者たちの間で人気が高まっている。
報告によると、貸主の約70%は、「90後」と「95後」だとしている。彼らはいずれも経済的に恵まれているとは言い難いため、「賃貸料」という要素を最も重視している。若い借主の約8割が、住まいを借りる時の最優先項目として「家賃がリーズナブルであること」を挙げ、「家賃は収入の30%以内に抑える」した若者は3分の2を上回った。また、多くの若者が、「家賃支出をもう少し押えたい」と望んでおり、8割以上が、「希望する家賃は月3千元(約4万9千円)まで」と答えた。
また、彼らは「家賃」とほぼ同程度で、「アクセスが便利」という要素も重要視している。具体的に見ると、若い借主の約半数は、「地下鉄駅から1キロメートル以内の物件を借りている」と答え、「90後」と「95後」は、他の年齢層よりも、地下鉄駅からより近い住まいを借りる傾向が強い。このほか、若者の約9割は、「通勤時間の短縮のために、家賃を多めに支払うことは厭わない」としている。
また「ルームシェア」は、若者たちの住宅賃貸における一つのブームになっていることが、報告から明らかになった。「90後」と「95後」の借主のうち80%以上が「ルームシェア」という方式を選択している。これは主に、経済的な要因を考慮した結果であり、水道光熱費・雑費や家賃を分担できることが、彼らがルームシェアを選択する本来の目的となっている。しかし、一人っ子がほとんどを占める「90後」や「95後」は、ルームメイトを選ぶ上で一定度の条件を設けており、清潔好きであることと仕事や休憩のリズムが、ルームメイトを選ぶための決め手となっている。
一世代上の人々の賃貸に対する考え方とは異なり、家屋の状況は、若者にとって賃貸住宅を選ぶ際のキーポイントとはなっていない。特に、築年数や部屋の向きには、ほとんどこだわりがない。借主全体と比べ、「90後」の借主は、築十年以上の物件でも受入れ、「南向きの部屋」が必要条件でもない。しかし、「エレベーター付物件」は、ほとんどの「90後」が必要条件としている。
借主全体と比べ、若い借主は、決断が素早い傾向にあることは、注目に値する。まず、「90後」と「95後」が、候補とする物件を見に行く回数は、上の年代より少なく、「95後」のうち、「物件を一度見ただけで借りるかどうかを決める」とした人は約7割に上った。次に、「90後」と「95後」の9割は、「部屋を見てから1日以内に契約するかどうかを決める」と答えた。「95後」が契約に至るまでの平均時間はわずか0.72日だった。借主全体では、この時間は0.95日かかった。
「全体的に見て、住まいを借りることで、若者の生活の質が下がることはありえない」と報告は指摘している。彼らは、小型家電、質の高い家具、その他各種インテリア雑貨などの製品を部屋に置くことで、生活スペースを整え、生活の利便性を高めている。また、各種キッチン家電を揃えることで、自らの手で充実したライフスタイルを創り上げている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年10月15日
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