天壇の内壇がここ70年来で初めて完全な形で一般開放 北京市

人民網日本語版 2019年06月10日14:43

3回目となる「文化と自然遺産の日」の到来を前にした8日、北京市の天壇公園の南西角にある元北京園林機械工場のエリアは移転と立退き、修繕を経て、正式に観光客の受け入れを開始した。このエリアはこの70年で初めて観光客に開放されたことになり、これにより天壇公園には3.2ヘクタールの新たな遊覧エリアが加わった。人民日報が伝えた。

天壇は明の永楽十八年(1420年)に建てられ、明清両朝の皇帝が天を祀り、五穀豊穣を祈る重要な場所であったとともに、現在まで完全な姿で保存されている最大規模の祭天建築群でもある。かつて機械工場だったエリアは天壇世界文化遺産のコアゾーンに含まれており、内壇壁や広利門、輿路など天壇の歴史的遺産の本体を含んでいる。1951年、北京園林機械工場の前身である園林機械修理工場がここに設立された。2007年、北京園林機械工場は閉鎖し、天壇公園の帰属となったが、その建物はそのままずっと残され、オフィスとして使用されていた。北京の中軸線全体の世界遺産申請に合わせて、天壇公園は昨年から園林機械工場など園内のコア観光エリアにおける住民の移転・立退き作業を完了。そして2018年4月2日には天壇広利門と南壇壁の修理工事が正式にスタートした。

天壇は壇廟として歴史的に「内儀外海」という規制があり、内壇に植えられている「儀樹」と呼ばれる木々を植える間隔にも決まりがある。そのため、公園は住民の移転・立ち退き後にできた広大な空き地の緑化を進める際、5メートル間隔で一列に常緑針葉樹のビャクシンを植えることで、周辺の既存の緑地景観との調和を図り、「蒼璧を以て天を礼する」祭壇の景観と広々とした「郊外の祭祀」の境地を創り上げて、古人が自然を崇め尊び、「天人合一」を追求する理念を体現している。

1998年に天壇が世界遺産申請を行った際の承諾に基づき、2030年までに古い天壇の完全な姿を取り戻す計画となっている。また同時に、天壇は北京の中軸線に位置する遺産14ヶ所の1つであり、また中軸線上にある世界文化遺産2つのうちの1つでもある。北京市はその文化財保護を強化し、天壇が一日も早くその元の姿を取り戻し、その完全性と真正性を実現することで、中軸線の世界遺産申請をサポートし、北京市の歴史文化における有名都市としての代名詞をより輝かしいものにしていく。(編集TG)

「人民網日本語版」2019年6月10日

  

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