買い物依存症やギャンブル依存症、ゲーム依存症などは、医学的に「行動嗜癖」と呼ばれている。5月21日、北京回龍観病院の「行動嗜癖専用病室」の運営が始まった。同病院に、ゲーム依存症やギャンブル依存症などの行動嗜癖専用の病室が設置されるのはこれが初めてで、中国の公立精神衛生医療機関が開設した初の行動嗜癖専用病室でもある。同病室ではすでに14歳ゲーム依存症の少年1人を受け入れている。総合北京日報と北京晩報が報じた。
北京回龍観病院は、依存症医学センターの設置をベースとして、行動嗜癖専用病室の増設も行った。同病室は開放式、家族向けタイプの病室で、ベッド数は16床。精神科病院の病棟のほとんどは閉鎖式であるものの、北京回龍観病院の同病室で、患者は自由に活動できるほか、付き添いの家族が泊まることも可能となっている。
また、公共エリアには読書エリアや運動エリア、娯楽エリア、さらに、中国のショッピングセンターでよく見られる電話ボックス型のカラオケボックスまである。医師は、「治療中、患者はテレビを見たり、おしゃべりしたり、歌を歌ったり、球技を楽しんだりすることができる。患者にゲーム以外の事で達成感を得てもらいたい」と説明する。
ではどのような症状からゲーム依存症と診断されるのだろうかという質問に、回龍観病院の楊輔徳院長は、「1日のゲーム時間が6時間を超えていて、インターネットにつないでいないと落ち着かず、すぐにインターネットをしたくなり、日常的な仕事や勉強、社会生活に支障が出ていること、さらに、長時間インターネットをしていることで生じるイライラや不眠、脱力感など症状が挙げられる。また、一旦ゲームに夢中になると、現実の世界でクラスメートや友人とほとんど交流しなくなるといった症状もある」と説明する。