米国物流大手フェデックス(FedEx)は24日、輸出規制をめぐり米商務省に対する訴訟を提起し、米政府はフェデックスが輸出規制を実施することを期待するべきではなく、輸送を請け負った物品に対して責任を負うよう求めるのは不合理だと主張した。新華社が伝えた。
フェデックスが同日発表した声明によると、フェデックスは米国・コロンビア特別区の連邦地方裁判所に提訴し、米商務省がフェデックスに輸出規制の実施要求を行わないよう求めた。輸出規制は公共の輸送業務を請け負った者の米憲法修正案第5条で保障された「正当な法の手続き」による権利を侵害するものだという。
同声明は、「米政府がフェデックスに毎日輸送を請け負う百万個単位の物品の中身が輸出規制に違反していないかチェックするよう求めるのは現実的でなく、不合理であり、フェデックスにとって大きな負担だ。フェデックスは物流会社であって、法執行機関ではない」としている。
フェデックスが起訴状の中で強調したのは、「輸出規制を遵守するため、フェデックスは発送人と受取人の名前、住所をスクリーニングして、取引が制限される『エンティティリスト』に入っていないか確認しているが、輸送を請け負った物品の中身が輸出規制に合致すると保証するのは非常に難しい」ということだ。
フェデックスの声明と起訴状に中国の華為(ファーウェイ)のことは書かれていない。しかし米メディアは、フェデックスの起訴はさきに米商務省がファーウェイを取引制限の「エンティティリスト」に加えたこと、フェデックスが宛先通りにファーウェイに関わる物品を配達しなかったことと関係があるとみる。
フェデックスが顧客の同意を得ずに、また顧客に通知しないで、物品の送り先を勝手に変更し、宛先通りに物品を配達しなかったことについて、中国の関連当局も法律に基づく調査プロセスを発動した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月26日