目下横行している一国主義や保護貿易主義に直面して、中国は絶えず開放を拡大することにより答を出し続けている。中国新聞社が伝えた。
中国政府のポータルサイト「中国政府網」が12日に明らかにしたところによると、国務院の李克強総理はこのほど国務院常務会議を開催し、対外開放により力を入れ、輸出入の多様化を方向性とした発展を促進するよう要求した。会議では、企業を主体とし、多様化した国際市場を開拓することは、対外貿易の安定さの中での質向上や経済の安定的な運営にプラスになると指摘された。
実際、中国の輸出入は多様化の流れが明らかだ。税関総署がまとめた最新のデータでは、今年1-5月の中国から欧州連合(EU)、ASEAN、日本などの主要貿易パートナーへの輸出はいずれも緩やかに増加し、中でも対EUと対ASEANの輸出伸び率は10%を超えた。「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国との貿易額も増加した。
とりわけ中米貿易摩擦という背景の中で、多様化が中国対外貿易の安定発展を支えた。中国人民大学国家発展・戦略研究院の王孝松研究員は取材に対して、「年初以来、中国の対EU輸出の割合が対米輸出の割合を追い抜いたと同時に、輸出全体の状況も安定している。これは中国の輸出企業がより広い市場を開拓し、輸出多様化戦略が徐々に着実に実施されるようになったことを意味する」と述べた。
王氏はさらに踏み込んで、「これまで多くの企業は米国などの単一市場に過度に依存し、こうした市場は安定し、輸出で大きな利益が上げられると考えてきた。しかし目下の貿易環境の中で、こうした市場にもはやかつての安定性はなく、企業は経営戦略の調整を迫られている。より広い輸出市場を開拓できれば、この難局を乗り越えることができる」と指摘した。
多様化発展の方向について、中国商務部(省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は、「空間の広がりからみると、目下の中国は国際市場の配置を積極的に調整し、第三国市場や『一帯一路』沿線国市場などを開拓している。高さという点でみると、対外貿易企業はモデル転換・バージョンアップを加速し、より多くの新しい分野を開拓し、国際貿易競争における新たな優位性を育成・構築する必要がある」と述べた。
中国は「中国製造」(メイド・イン・チャイナ)の輝かしい看板を世界各地に掲げると同時に、ドアを大きく開け放って質の高い輸入商品と輸入サービスを迎え入れている。
実際、輸入商品は今や中国の人々の日常生活に浸透している。米国産のアボガド、チリのサクランボ、アルゼンチンのエビ……食卓には世界各地からやってきたグルメが並ぶようになった。フランスの香水、日本の化粧品、韓国のフェイスマスク……化粧台に並ぶ瓶や缶などの容器にはさまざまな国の文字が印刷されている。中国のネットユーザーの中には、「家にある外国製品を全部どかしたら、スペースが半分以上空く」と笑いを交えて語る人もいる。