綏化市北林区太平川鎮二排村でモデル農家を視察する視察団一行
生産量拡大から、グリーン・安全・質のよい農業へ
2018年、綏化の食糧総生産は1175万トンに達し、「15年連続の豊作」となった。綏化市の「生産量拡大」は現在でも続いている。綏化市北林区農業技術普及センター主任の張樹春氏は取材に対し「我々が追求している目標は、生産量拡大だけではなく、環境保全型・安全・質のよさだ」と語った。
綏化市北林区太平川鎮二排村でモデル農家を視察する視察団一行
東北農業大学農学院教授の張艶菊氏は中日が協力して行った綏化の農地での施肥試験の成果データを示し、「日本の専門家の指導の下で緩効性肥料を試し、土壌分析によって肥料を配合し施肥するようにした。また病虫害耐性品種を選び、病虫害防除剤をスクリーニングし、農薬の使用量を減らした。それにより労働力とコストを節約できただけでなく、生産性も高めることもできた。さらに環境負荷も減った」と語った。
綏化市北林区鑫諾瓜菜栽培合作社が使用している「栽培管理記録カード」
「栽培管理記録カード」管理体制も今回の中日協力事業の成果の一つである。農家は作物ごとに「栽培管理記録カード」を作り、定期的に栽培管理データ、使用農薬・化学肥料の名称と散布・施肥を行った時間、使用量を記録し、農業技術普及員がそれに対する指導やアドバイスを行っている。綏化市北林区太平川鎮二排村の王運文氏は今回の中日協力事業の受益者の一人だ。彼は、「以前、私たちの農作物栽培は主に二十四節気に頼っていたが、北林区農業技術普及センターが日本の『栽培管理記録カード』を紹介してくれた。最初に使った時は少し面倒くさいと思ったが、我々農民にとって非常に役に立つことがだんだん分かってきた。自分が記録したデータを参考にすれば、どの季節に何をするべきか、農薬の量をどう調整すればいいか分かる」と語った。
中国科技部(省)中国科学技術交流センター日本処処長の柏燕秋氏は綏化視察を終えた後、「中日が黒竜江省の食の安全と環境対策面で行った協力事業による農業の『減肥(ダイエット、ここでは施肥量低減の意味)』の呼びかけは、国際協力を通じ、農業の発展モデル転換を加速し、農業のグリーンな発展を促進する有益な試みであり、先導的なものだ。こうしたグリーンな生産モデルが東北の黒土地帯でさらに普及することを期待している」と語った。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年10月30日