新潟から黒竜江へ 東北の黒土地帯に開く「環境保全型生産」の花

人民網日本語版 2019年10月30日11:08

JICA北京事務所で取材に応じる新潟県日中友好協会顧問の春日健一氏と新潟大学農学部教授の韓春生氏

秋は収穫の季節である。黄金色に色づいた田んぼ、ふっくらと丸いダイズなど、東北の大地の農地は豊作の喜びに満ちていた。黒竜江省北林区鑫諾瓜菜(ウリ科野菜)栽培合作社で、理事長の潘仁国氏は同合作社が築き上げた「野菜王国」ついて、「我々は日本の国際協力機関(JICA)『黒竜江省綏化市食の安全と環境対策事業』のモデル実験拠点であり、黒土地帯の環境保全型の菜園でもある。現在はすべてグリーン生産路線を展開している。今年は約461ヘクタールで野菜を栽培し、一部は海外への輸出も見込んでいる。これらは日本の農業専門家の指導や支援と切り離せない」と説明した。人民網が伝えた。

視察団一行に事業の実施状況を説明する東北農業大学農学院の張艶菊教授

寒地の黒土地帯も金銀同様の価値がある

「中国の大穀倉地帯」である黒竜江省中南部の綏化市は、農業が盛んな市である。綏化市は世界でもまれな三大黒土地帯の一つである松嫩平原の内陸部に位置し、貴重な寒地黒土資源を有し、農産物が豊かである。しかし、かつての粗放型の生産モデルが綏化市の土地を脅かしている。法令で禁止されているにもかかわらず、化学肥料や農薬を過度に使用することが依然として見られる。このようにして栽培された農作物は品質が保証できず、残留する窒素・リン・カリウムや農薬成分は生態系を破壊し、環境汚染を引き起こしてしまう。

日本の専門家の指導の下で綏化市北林区が行っている農薬化学肥料使用量削減農場実証モデル試験

中日が協力してグリーン生産の道を切り開く

環境資源を保護し、環境保全型の生産を堅持し、同時に農産物が環境保全型で安全であることを保証し、農業の持続可能な発展を促進することは、「寒地黒土の都」である綏化市が追求し続けてきた発展の道である。2016年11月、JICA「草の根技術協力事業」の一環として、「黒竜江省綏化市食の安全と環境対策事業」が正式にスタートした。日本の新潟県日中友好協会が先頭に立ち、新潟大学、新潟県農業総合研究所、日系企業から派遣された専門家と、中国側の東北農業大学、綏化市北林区農業技術普及センター、綏化市鑫諾瓜菜栽培農民専業合作社が協力を展開した。この協力では、日本の環境保全型生産理念と先進技術を現地に導入し、農民に化学肥料と農薬の適量使用について指導した。また、化学肥料の効率の良い利用を促進し、化学農薬の使用を低減して、根本から農産物の安全性を確保することで、環境汚染を低減した。

新潟県日中友好協会顧問の春日健一氏はJICA「草の根技術協力事業」に長年参加しており、今回の綏化プロジェクトの日本側責任者でもある。綏化市に来るたびに、春日氏と日本の農業専門家は綏化市の農地を自ら回り、土壤の電気伝導率(EC)を分析し、硝酸態窒素の含有量を把握することで、現地の状況に合わせた施肥量を設定した。また、試験用農地を選び、化学肥料農薬の使用量を減らすことを提唱。さらに、農民に日本の「栽培管理記録カード」を普及させ、綏化市北林区農業技術普及センターの監督管理下で、健全で環境にやさしい栽培管理体制が現地に確立できるようサポートした。

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