また、張さんは、「今年10月中旬から、西安では雨が続いた。熟れる時期が近づいた火晶柿を木になったままにしておくと、雨が降ると割れてしまいやすい。だから、あの時は出来る限り急いで熟しかけた柿を収穫しなければならなかった。これは、柿の生産量を維持して損失を減らすためであり、取引先に確実に出荷するためでもあった。今年の柿の注文はかなり早い時期から入っていた。早々と7月に予約注文をした取引先もあった。私たちが収穫作業員を雇うための人件費と、柿の取引先買取価格はほとんど変わらないが、出荷が保証できて評判が落ちなければそれでいい」と説明した。
〇「長安十二時辰」で一躍人気者となった火昌柿
張さんはさらにこう続けた。「私は生まれも育ちも西安臨潼で、兵馬俑の近くで大きくなった。だが、火晶柿はこれまでそれほど注目されていなかった。柿は普段、ほとんど面倒を見る必要がない。剪定や農薬散布も必要なく、放っておいてもよく育つ。秋になったら実を収穫すれば良いだけだ。これまでは、兵馬俑の見学に来た観光客が少し買って食べるだけだったが、今年は『長安十二時辰』が放送されたことで、この柿の人気も急上昇した」。
「毎年、約40トンの火晶柿を販売してきたが、今年の販売量は100トン前後に上る見通しだ。ここ数日天気が好転してきており、果物農家も自分たちだけで収穫できるようになった。うちが仕入れる柿も増えてきたので、収穫作業員を別途雇う必要はなくなった」と張さんは言う。
「西安臨潼地区の柿の木の多くは、樹齢数十年、高さは7-8メートルあり、木に登って収穫する必要がある。求人広告を出し、計5人の作業員を雇用した。最も長かった人で1週間、他の人は3-4日間だけだった。全員に日給千元で報酬を渡した。作業員はだいたい50歳前後、全員地元の人で、小さいころから柿を摘んだ経験があった。あまり若い人は危なっかしくてとても雇えない」。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年11月4日