水星と月(資料写真)。撮影・周団輝
中国科学院紫金山天文台が11日に発表した情報によると、普段は太陽光に隠れる水星が太陽の前面を横切る「太陽面通過」が間もなく観測される。残念ながら中国での開始は夜となるため、多くの天文愛好家は直接観測できそうにない。中国新聞網が伝えた。
水星の「太陽面通過」とは、水星が地球と太陽の間に位置し、3者が直線で結ばれることで形成される現象を言う。
普段は影が薄い水星に「舞台」が提供された。小さな「ほくろ」が少しずつ太陽の表面をよぎり、中心に到達してから再び離れる。
天文学者によると、水星と太陽のサイズは段違いだ。そのため地球から見ると水星は太陽の光を遮ることができず、太陽の「顔のほくろ」になり、注目が集まる。
天文学的な正確な計算によると、この太陽系で最も小さく中心に最も近い惑星である水星は、11日にちょうど地球と太陽の間を通過する。「太陽面通過」の過程において、水星は5時間半の「長距離移動」を行う。初めて姿を現すのは米国東部時間の午前7時35分。
この「太陽面通過」はより正確に言えば「暴走」だ。地球から見ると水星の移動は非常に遅く見えるが、実際の運行速度は時速24万1000キロにのぼる。太陽の表面を疾走していくと言える。
「太陽面通過」はそれほど目立った現象ではないものの、比較的珍しい。この現象は100年で平均13.4回しか発生しない。今回の「太陽面通過」を逃せば、あと13年待つ必要がある。
今回の「太陽面通過」の一部始終を観測できるエリアは、南米、南極大陸、欧州、アフリカに集中する。また西アジアでは日没の通過を、北米と大洋州の一部では日の出の通過を観測できる。残念ながら中国での開始は夜となるため、多くの天文愛好家は直接観測できそうにない。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年11月12日