「こだわりなし」から「妥協なし」へ 消費が持続的に質向上・規模拡大
ホットサンドメーカー、「エアイージー」スニーカー、スマートスピーカー……黒竜江省斉斉哈爾市に住む90後(1990年代生まれ)の女性教員・岳媛さんは携帯を手にして、今年上半期に淘宝(タオバオ)でした買い物のリストを見せてくれた。
「今は条件も整って、たくさんの若い人が自分の能力の範囲内で『ニッチで素晴らしい』生活を追求するようになった。ぜいたくであるとは限らないが、一定の品質は必ず満たしている。今は自分の買い物では実用性だけでなく、『幸福感』を与えてくれるかどうかも考えるようになった」という。
蘇寧のビッグデータでは、今年第1-3四半期には、三線・四線都市以下の市場にある蘇寧小売クラウド店で、デジタルカメラの販売量が前年同期比1500%増加し、レーザーテレビと食洗器も同70%以上増加し、ミキサーは同439.4%増加、3ドア以上の冷蔵庫は同363.1%増加だった。
価格「9.9元」の特売品への熱中から高いコストパフォーマンスの追求へ、「こだわらない」から「妥協しない」へ、「地方青年」のショッピングカートを見ると消費の高度化が十分にうかがえる。
深セン市富輝鴻電子科技有限公司はスマート掃除ロボットに特化した企業だ。同公司EC部門責任者の魏濤さんは、「昨年から拼多多と提携して、三線・四線都市以下の市場の消費のポテンシャルに狙いを定めている」と述べた。
魏さんは続けて、「当社の消費者の70%が二線以下の都市と県の中心地に住んでおり、彼らは製品のスマートレベルに特に注目し、たとえばWiFiにつなげるかとか、自動充電の機能があるかなどをチェックする。三線・四線都市以下の市場が求めているのは価格の安さだけではなく、何らかの体験ができたり何かを享受できたりする製品だ。こうした市場のニーズに合わせ、今年初めに消費者がけん引する形で製造したV2型「千元高配」(低価格ハイスペック)掃除ロボットは、11月末までに拼多多プラットフォームで22万台を売り上げた」と述べた。
農村の消費者のショッピングカートにみられる変化について、崔さんは最も「発言権」があるだろう。「今の村民は商品を選ぶだけでなく、ブランドを選ぶようになった。みんな、『ブランドものなら品質は確かだし、使い勝手もいい』と言っている」という。
三線・四線都市以下の市場に徐々に浸透しているのは商品だけではない。サービスも徐々に浸透している。今年第3四半期には、蘇寧の地方エリアカスタマーセンター・蘇寧幇客県鎮サービスセンターのサービス依頼受注件数が前月比145%増加し、このうち家電クリーニング・メンテナンス、家電修理サービスが最も人気があり、クリーニング・メンテは同341%増加、修理は同73%増加した。
「地方青年」のショッピングカートの背後にみえるのは、中国の広大な三線・四線都市以下の市場に湧き上がる無限の活力だ。正確に的を絞って不足点のカバーに力を入れ、供給を革新し最適化すれば、こうした市場の消費のポテンシャルがより一層発揮され、中国の消費に新たな注目点をもたらし、中国経済に新たな原動力を蓄積することになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月9日