日本企業が中国国際輸入博覧会で発見した商機

人民網日本語版 2019年12月06日11:31

中国国際輸入博覧会(CIIE)は、ある意味中国が主催する世界中の商品が集まる「カーニバル」と言うことができる。多国籍企業にとっては、CIIEに参加することで、中国市場の注目点や中国市場の情勢を肌で感じる機会となる。(作者:陳言・メディア関係者、日本問題専門家。「瞭望東方週刊」に掲載)

日本のガラスメーカー・AGCの上田敏裕執行役員が目にした中国の大きな変化は、消費の高度化、特に、スマート化における消費の高度化だ。

ガラスを例にすると、中国の消費者にとって魅力ある商品にするためには、高品質のガラスでは物足らず、「スマートガラス」を作らなければならない。

AGCが研究開発した「迎賓ガラス」は、実はハーフミラーディスプレイで、スマート画像認識装置が搭載されている。その前を人が通ると、ディスプレイに「きれいな女性」のキャラクターが表示され、出迎えてくれ、とてもユニークで斬新な体験を提供してくれる。

上田氏は、「一番よく耳にしたのが中国のホットワードである『5G』。中国で商品が売れるようにするためには、間もなく到来する5G時代に積極的に対応しなければならない」との見方を示す。

AGCは5G電波の反射ポイントとなるガラスを研究開発した。そのガラスを、街の中のオフィスビルや列車、自動車などに取り付けると、5Gの電波を受信、増幅でき、より便利な生活を提供できるほか、基地局をめぐる問題の解決にもつながる。

日立中国有限公司の金森秀人総経理やたくさんの日本の企業家が目を付けているのは、ヘルス・介護商品、サービスの需要が非常に高まっているという中国の大きな流れだ。

中国ではまずテレビで有名になった日立は、実際には大型機械設備の製造の面でも豊富な経験と高い知名度を誇る。同社の今年の輸入博覧会の一押し製品は粒子線がん治療システムだ。

従来のガンの放射性治療においてX線は特定の範囲内で持続的にエネルギーを放出するため、がん細胞を死滅させる一方で、正常な細胞もダメージを受けてしまう。それに対し、粒子線治療は、患部の深さに合わせてある深さに達してから大部分のエネルギーを放出することで、より正確にがん細胞を死滅させることができ、体への負担を最大限まで軽減させることができる。

日本の粒子治療は世界でも先進的で、中国の病院やクリニックもこの面で急速に発展しているため、日立にとっては大きな商機となっている。

1980‐90年代、日本企業は性能が高い家電製品を携え、中国市場への進出に成功した。21世紀前後になり、中国人も次第に裕福になり、マイホームや車を持つことを強く望むようになり、日本企業が中国で販売する「ヒット商品」は、自動車に変わっていった。そして、日本の各大手自動車メーカーは相次いで中国に大規模な工場を設置するようになった。

それからまた20年が経ち、伝統的な自動車産業が少しずつ頭打ちとなっているが、中国の新たな消費ブームの中で、日本企業はスマート化製品や5G通信、医療、介護製品など自らの「優位性」を再び発見した。それらが、今後、中日両国の商業界における協力の重点分野となるだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年12月6日

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