1月2日は「臘八節(旧暦12月8日)」。この日が過ぎると、春節(旧正月、2020年は1月25日)がだんだんと近づいてくる。中国の臘八節には、「臘八粥を食べる」、「臘八蒜(ニンニクの黒酢漬け)」を作る以外に、どのような風習があるのだろうか?新華社が報じた。
臘八節は、英雄・岳飛を記念することと関係があると言われている。当時、朱仙鎮にいた岳飛は、部下を率いて金と闘っていた。1年で最も寒い時期となり、民衆は我先に岳飛に粥を差し入れ、岳飛の軍は、その粥をお腹いっぱい食べて戦いに臨み、勝利を手にして戻ってきた。この日がちょうど旧暦12月8日だった。岳飛がこの世を去った後、人々は彼を記念してこの日に雑穀や豆類で粥を煮るようになり、やがてそれが風俗となったのだという。
また、臘八節は「仏成道節」でもある。仏教の開祖であるブッダ釈迦牟尼が旧暦12月8日に悟りを開き、仏になったと伝えられている。仏教が中国に伝来した後、釈迦牟尼が悟りを開いた日を記念するために、各寺院では、この日に読経を行い、粥を煮て仏様に捧げた。この粥が臘八粥となったのだという。
百メートル以上の列に並び、北京・雍和宮でふるまわれる臘八粥を受け取る人々。
臘八節の食べ物には、臘八粥のほかにも「臘八蒜」や「臘八麺」、「臘八豆腐」などがある。
たとえば、華北のほとんどの地域には「臘八蒜」を作る風俗がある。ニンニクの皮を剥き、中身を黒酢に漬け込み、小さな壺か密封容器に入れておく。しばらくすると、ニンニク全体が青緑色に変わり、ニンニクの香りと酢の香りが混ざり合い、餃子や和え物料理に大変良く合う調味料となる。
山西省太原市の老陳酢(熟成酢)工場で、並んで酢を購入する住民たち。中国の北方住民は、毎年旧暦12月8日に「臘八蒜」を作る風俗がある。
また、「臘八蒜」の「蒜」の字は、「算」と同じ発音だ。各商店はこの日に帳簿を締め、1年の収支決算を行い、損益を確認するため、「臘八算」とも呼ばれていたという。
「臘八豆腐」は、安徽省黔県の民間に伝わる特産品で、旧暦12月8日前後になると、豆腐を天日で干す風俗がある。このように自然光で干して作った豆腐は「臘八豆腐」と呼ばれている。
また、旧暦12月8日の前日に、たらいに水を汲んで中庭に置いておき、水が凍るのを待って、臘八節当日に氷の塊を取り出して砕くという面白い風習もある。この日にできた氷は非常に不思議な氷で、この氷を食べると、向こう1年間腹痛を起こさないと言い伝えられている。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年1月2日