空の臨時基地局を構築、ドローンが緊急救援の「千里眼」に

人民網日本語版 2020年01月03日13:00

杭州電子科技大学の李金新准教授はこのほど、浙江威力克通信股フン有限公司(フンはにんべんに分)と協力し、「緊急救援ドローン」の開発に成功するとともに、量産化を実現した。このドローンは真っ先に災害現場に駆けつけ、「空の臨時基地局」を構築し、緊急救援に指揮・管制・通信サービスを提供する。科技日報が伝えた。

「例えば、浙江省の沿岸部は夏になると台風が発生しやすい。洪水の被害を受け、基地局が深刻な被害を受けることがある。救助中に電話をかけようとすると、電波が届かない場合が多い。カバー面積が広い空の臨時基地局を構築すれば、緊急救援に千里眼を与えることになる」。李氏は開発当初の目標について、「私には30年以上通信事業に携わった経験があり、多くの緊急救援プロジェクトにも参加したことがある。大型災害が発生した場合に、通信の中断が救援の大きな妨げになることを実感している」と述べた。

この緊急救援の「神器」は重さが10キロで、自然災害が発生すると直ちに災害の中心部に入り、中心点の上空100メートルのところにとどまる。さらに強風環境下でも作動し、10キロメートル四方の地域に通信サービスを提供する。また係留ケーブルにより地上の電源と連結し、4時間以上にわたり連続稼働でき、従来のドローンの航続時間が短いという問題を解消した。

李氏は「重さ10キロのドローンを高度100メートルまで飛ばすのは容易なことではない。実験開始当初、ドローンは動力不足で墜落することがよくあった。その後ローターの設置などを工夫することで高く飛ばせるようになった。ドローンで基地局を構築する場合、ドローンのモーターの信号と基地局の通信信号が相互干渉する。より高機能のスーパードローンを開発しようと、チームは航続距離が短いことや信号の相互干渉、機体の軽量化といった一連の難問を解消した」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年1月3日

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