1月5日、江蘇省蘇州市の双塔市場で買い物する若者。2019年に同市場は改装で生まれ変わり、今やネットで有名な「必ず行くべき場所」だ。(撮影・季春鵬)
2019年12月4日、広西チワン族自治区欽州市霊山県の農民でネット有名人の甘有琴さん(左から1人目)がライブ配信中。2018年、甘さんはライブ配信を通じてライチ35万キロ以上を売り上げた。(撮影・曹褘銘)
ネット有名人経済はなぜこんなに人気か
中国では、ネット有名人経済にしっかりした社会的基盤がある。百度がまとめた「『95後』(1995年から1999年生まれ)生活経済調査研究報告」によると、中国の95後人口は約1億人に上る。彼らは幼い頃からインターネットとともに暮らし、大量の情報を発信したり、暮らしの様子を投稿したり、ツッコミを入れたりすることを好む。コンサルティング企業アクセンチュアの研究によれば、中国の95後の消費者の70%以上がソーシャルメディアを通じて商品を直接購入することをより好むという。
インターネット経済が起こり、情報伝達のコストは大幅に低下した。「奇妙だが魅力のある魔性の」パフォーマンスをする、感動的な歌を歌う人が、ネットの後押しを受けて、無名の素人から一躍ネット有名人になることがある。
新浪微博の王高飛最高経営責任者(CEO)は微博(ウェイボー)で、「実はここ数年間の本当に成功したネット有名人で、大衆的コンテンツを作った人は一人もいない。彼らはまず製品の位置づけをじっくり考え、それからターゲットとなる受け手に正確に狙いを定め、こうした人々に向けて喜ばれるコンテンツを送り出してファンを増やし、それから製品を打ち出すのだ」と評した。
王氏の評はネット有名人経済の核心を突いている。ネット有名人たちの最終的目標はアクセス数を獲得することではなく、アクセス数を現金化することにある。この目的から出発し、まず最初にやらなければならないのは、ターゲットのユーザーの好みに的を絞って自分のイメージを作り、パフォーマンスをプロデュースし、ユーザーの心の中に自分の「居場所」を作ることだ。たとえば化粧品情報を発信するパーソナリティである前出の李さんが売るのは口紅で、ターゲットは若いホワイトカラーの女性だ。そこで李さんは「口紅兄貴」のイメージ作りをし、女性の心理を踏まえて、女性の心を打ち抜く製品おすすめトークを編み出した。
ネット有名人経済は伝統的消費シーンに破壊的影響を与え、消費者に一層多様化した個性的なショッピング体験をもたらしはした。しかしながら、ネット有名人経済の本質はやはり実体経済のネットにおける投影なのであり、市場の法則から離れて発展することはできず、整った市場の監督管理も不可欠だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年1月15日