同ドラマの原作となった小説の作者・呂錚は、ドラマの脚本も手掛けており、彼自身18年間にわたって警察で勤務していた経験がある。取材に対して、「『三叉戟』は自分が警察になってから出会った3人の先輩をモデルにして書き上げた。同作品を通して、公安という闘いの第一線で、黙々と貢献した上の世代の人民警察に敬意を示したかった。彼らは、知恵も勇気も備えた完璧な人間ではなく、それぞれ個性があり、弱点も、ウィークポイントもある。例えば、崔鉄軍は推理が得意で、問題に直面しても冷静であるものの、事件解決のためなら手段を問わない一面がある。徐国柱は、竹を割ったような性格で、勇敢であるものの、普段はとても短気で、ちょっとひねくれている。潘江海は取り調べが得意で、如才なく、世慣れており、常にちょっとした小遣い稼ぎができないかと考えている。しかし、犯罪を目にすると、そんな3人はすぐに集結し、それぞれの得意分野を生かして、事件を次々に解決し、都市の平和を守っている」と説明した。
近年、「中年の危機」という現実的なテーマを描いたドラマは少なくないが、なかでも「三叉戟」は特にとびぬけている。中年警察3人は、追いかけていた犯人に襲撃され、必死に格闘してなんとか取り押さえる。また、初めての外勤の際には窃盗犯にカバンを切られて、携帯や財布を盗まれてしまう。ある視聴者は、「3人には、父親の世代の人々のイメージが詰まっている。3人は、若い人が好む方法で、夏春生の娘・静怡と交流し、守ろうと試みるものの、逆にもっと切ない対応をされてしまう。自分に鞭打って、新しい観念や技術を学ぼうとする彼らの背後には、時代に取り残されることを恐れる気持ちが隠されている。それを考えると、若い視聴者は、『父親の世代のことを理解するためのガイド』として『三叉戟』を見ることができる」と分析している。また、同ドラマの劉海波監督は、「『三叉戟』は公安をテーマにしたドラマというだけでなく、『人』を描いたドラマでもあり、その内容がリアルであるからこそ、視聴者の心を捉えることができている」との見方を示す。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月10日