中国で活躍する俳優・渋谷天馬「世界の人と一緒に仕事をする夢を中国で実現」 (2)

人民網日本語版 2020年07月10日16:57

中国でドラマや映画50作品以上に出演している渋谷だが、その90%で悪役を演じている。

「悪役を演じると、日本に帰った時に、日本人にバッシングされることはないのか?」との質問に、渋谷は「『帰国した時に、問題になることはないのか?』と、たくさんの中国人、特に初めて会う人に聞かれる。でも、全然大丈夫。僕は俳優だから」と笑顔で答えた。

2015年、第二次世界大戦で連合軍が勝利して70周年を迎えた記念として製作された3D映画「エア・ストライク』(原題:大轟炸)」に出演した渋谷天馬。(画像は本人が提供)

さらに、「日本と中国以外の国の人からも、『君はとても素晴らしい俳優だ。なぜなら、君が憎いから』というメッセージをたくさんもらった」というユニークなエピソードも語ってくれた。

中国人と日本人が友達になることは可能?

「もちろん。僕には中国人の友達がたくさんいる」。

「日本でいる外国人で一番多いのが中国人で、約100万人もいる。中国に来たばかりの時、大学に留学し、中国語のクラスにいた日本人は、20代の若者のほかは、全て定年退職して勉強しに来ていた60過ぎの高齢者だった」。

渋谷天馬(画像は本人提供)

中国に来て10年以上になる渋谷はたくさんの中国人の友達ができた。それだけでなく、東京に中国と日本の文化交流を行うNPO団体を立ち上げ、中日間の文化交流活動を主に行っている。「こうした活動はとても意義がある。異なる言葉に、異なる文化でも、同じ趣味があれば、仲良くなるのは簡単だ」。

「お箸」に見る中国と日本の文化の違い

「子供の頃、教科書を通して、中国のことをたくさん勉強し、中国に来る前にも、関連の資料をたくさん調べたが、実際に中国に来て見ると、想像とは全然違った」。

「例えば、お箸を例にすると、中国人も、日本人もお箸を使うが、中国のお箸の先は太いのに対して、日本のお箸は細くなっており、異なる。なぜかというと、日本は海に囲まれていて、よく魚を食べるので、その時は先が細いお箸のほうが食べやすいから。そのような小さな違いは、中国に来ていなければ、想像もしないことだ」。

(画像は本人提供)

「だから、中国と日本の違いは、お箸の違いのようで、同じように見えて、全然違う」。

中国と日本の文化の共通点について、渋谷は、「たくさんある。日本の伝統文化のほとんどは中国から伝わったものだ。中でも、唐の時代に伝わったものが一番多い。中国人観光客が日本に行くと、地名も、メニューも見るだけで理解できる。日本人も同じ。なぜなら、漢字が分かるからで、そのため中国に来たばかりの日本人はよく、中国語が上手だと勘違いされる」と話した。

抗日ドラマをどう思っている?

中国電影博物館で、映画「未完の対局(中国語タイトル:一盤没下完的棋)」のパネルの前まで来ると、渋谷は、「この映画はよく知っている。初の日中合作映画」と、声を高めた。同映画は、1972年の中日国交正常化後、初の中日合作映画で、監督、脚本、主演など全てに、中国人と日本人両方が起用された。

「僕は平和主義」。

「日本兵などの悪役で出演している作品は、第二次世界大戦当時が舞台で、役作りのためにたくさんの資料を調べた。だから、普通の日本人よりも、僕のほうが当時の状況をよく知っていると思う。歴史については、まず、尊重と理解が必要だと思う。中国と日本が友好関係を保つことを願っている。そうでなければ、僕も文化、アート関係の活動など、自分の好きなことができない。僕個人からすると、中国と日本が友好関係を保っていれば、演劇や芸能の面でも、より多くのソースと仕事のチャンスがある」。

「監督として、日中合作映画を製作するというのが、僕の夢だ」。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年7月10日

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