新型コロナで世界における人材の動きはどのように変わる?

人民網日本語版 2020年07月31日10:53

近年、米国や英国、オーストラリア、オーストリアなどのポピュリズムと反グローバリゼーションが台頭し始めている。それらの国に留学していたり、またはこれから留学する予定の学生に、こうした現状がどんな影響を与えるかについて、今後も注視していく必要があるだろう。光明日報が報じた。(文/劉敏、北京師範大学国際・比較教育研究院准教授)

今年6月、新型コロナウイルス感染拡大や労働市場の悪化に伴い、米トランプ政権は、特殊技能職ビザ(H-1B)、熟練・非熟練労働者ビザ(H-2B)、交流訪問者ビザ(J)、企業内転勤者ビザ(L)などの非移民ビザの新規発給を一時停止すると公布した。この措置に、米国のハイテク企業は不満を表した。長期に渡って、米国は、中国の学生の重要な留学先となっているだけでなく、中国の高等教育交流・連携の重要な対象国にもなっていた。現在、国際情勢の不確定要素が目に見えて増加しているのを背景に、人材の国際的な流れにも注目が集まっている。

まず、「どこへ向かうか」という問題に答えなければならない。

米国やそれに追随している他の国の対外政策が留学のリスクを高めていることに疑問の余地はない。また、「一帯一路」(the Belt and Road)建設が世界各地で進んでおり、対海外投資や国際協力人材のニーズは今後も拡大し続けるだろう。そのため、中国の学生が海外留学を考える場合、より賢明な判断をし、目標をより明確にし、学校や専攻学科をキャリアプランと合わせて考えなければならない。中国の一部の国に対する投資や協力が増加するにつれて、それらの国が、新たな人材の流れの方向になるだろう。そして、公用語が英語ではない一部の国の得意としている学科や「一帯一路」建設関連の特色ある学科のメリットが今後、一層際立つようになるだろう。

中国国内外で局面が変化しており、いかに新たな局面を切り開くがより重要になっている。

人材は最も重要なソースだ。歴史的に見ても、米国の移民政策や高等教育の開放政策は、人材誘致の面で非常に重要な役割を果たしてきた。それら人材は、テクノロジー・イノベーションの分野で、米国に多大な貢献を行ってきた。その観点から中国を見てみると、海外にいる中国人の人材が帰国するというのは不可逆的な情勢となる。

つまり、中国は、米国が歴史上、世界の人材を吸い寄せてきた経験を再現する可能性が高いということだ。そのため、中国は今から、国際人材ターミナルを構築し、グローバル人材にメリットを与えられるような長期的な計画を立てなければならない。

一層開放的な人材構造がなければ真の意味で「国際人材ターミナル」を構築することはできない。それには、中国の高等教育のインテンション発展を加速させ、「国際留学センター」を構築し、人材サービス体系を整備し、人材回帰のインセンティブを与え、世界のインテリジェンス導入のための協力プラットホームを構築し、海外で学校経営をして現地で人材を育成することなどが含まれる。全面的、合理的、実用的な人材戦略は、平和で友好的な国際環境を作るための基礎だ。エリートを集め、包摂的、開放的な人材政策を打ち出すことは、世界のバリューチェーンの質向上につながるだろう。 (編集KN)

「人民網日本語版」2020年7月31日

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