「風が葉を揺らし、万物に秋が訪れる」と言われるように、「中国天文年暦」によると、北京時間8月7日午前9時6分に「立秋」の節気を迎える。夏が過ぎて秋が訪れ、秋風が吹き始め、伝統的な意味での「秋」が立秋から始まる。専門家によると、中国の重要な歳時の節気である「立秋」に、民間では、「貼秋▼(▼は月へんに票、秋に滋養のあるものを食べて脂肪をつけること)」や「咬秋(スイカを食べる)」といった風習が伝わっている。新華社が報じた。
歴史学者である天津社会科学院の羅澍偉研究員は、「二十四節気のうち13番目の節気である『立秋』について、昔の人々は、季節が夏から秋にバトンタッチされる重要な日であるととらえていた」と紹介した。
羅研究員は、次のように続けた。
「立秋」の日、中国では、人々の間で、秋に滋養のあるものを食べて脂肪をつける「貼秋▼」や、スイカを食べる「咬秋」といった風習が伝わってきた。一年のうち一番暑い時期である「三伏」の期間中は猛暑が続き、食欲不振や夏痩せといった「夏バテ」を起こしやすい。「立秋」に滋養のあるものを食べて脂肪をつけるのは、この夏バテから回復するためでもある。この風習は清代に端を発していると言われている。当時は、「立秋」当日に、三伏中に食べなかったあらゆる肉料理(炒め物、焼き肉、しゃぶしゃぶなど)を食べていた。生活レベルが向上し、おかずなどに余裕ができた現代では、豚肉をゆでて冷やしたものを唐辛子醤油で食べる「白切肉」や紅焼肉(豚の角煮)、鶏肉や鴨肉の煮込み、紅焼魚(魚の醤油煮)などが、立秋の日に庶民の食卓に並ぶことが多い。
「立秋」が過ぎた後に、「貼秋▼」で適度に栄養を補えば、身体の各臓器の機能を高めることができるが、これは各人の状況によって異なる。高齢者や子供、胃にトラブルを抱えている人、肥満の人および心臓・脳血管系のトラブルを抱えている人たちは、高たんぱく・高脂肪食品の摂取は適量に留めておいたほうが良い。そうしないと中医学的にいうところの「のぼせ」や消化不良などを起こしてしまう恐れがある。そのため、各人の状況に応じて、食事メニューを調整し、栄養バランスの取れた1日3食の食事と、リンゴや梨、ゆり根、山芋、レンコン、ダイコンなど、消化器系の内臓を整え、肺を潤す効果のある野菜や果物を適宜組み合わせることが望ましい。
また、「立秋」にスイカを食べることは、「咬秋」と言われており、下痢を予防することができる。スイカなどは、暑い夏に体内に蓄積された暑気を払う効果があるが、身体を冷やす食品のため、特に「立秋」後は、食べる量を適度にとどめておく必要がある。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年8月7日