米国の年に一度のセールイベント「ブラックフライデー」がこのほど幕を下ろした。米国消費データのバロメーターとされるブラックフライデーについて、米アドビシステムズが4500のネットショッピングサイト(全米小売業者上位100社の80%を含む)を追跡調査したところ、今年のブラックフライデー当日のネットショッピング売上高は前年比14%増加の27億2千万ドル(約3340億2千万円)に達したことがわかった。大河網が伝えた。
この数字は、アリババ(阿里巴巴)が発表した中国のネットショッピングイベント「ダブル11」(11月11日)の天猫(Tmall)での売上高912億1700万元(約1兆7512億円)のわずか19%に過ぎない。事前の市場の予想では、今年のブラックフライデーネット通販取引額は同19%増加するとみられていた。アドビは、「ブラックフライデーの通販売上額が予想に達しなかった原因は、経済という大きな背景の中で人々が消費に対していろいろな懸念を抱いたことにある」とするが、同じように経済成長率が鈍化する環境の中国で、天猫の「ダブル11」の売上高は同約60%の伸びを達成した。米国の消費者の間では、モバイルショッピングはまだデスクトップパソコンのプラットフォームを通じた買い物ほど普及していない。天猫の「ダブル11」の売上高の68%を占める約620億元(約1兆1902億円)はモバイル端末経由だったが、アドビのまとめたデータによると、ブラックフライデー当日のスマートフォン及びタブレットコンピューター経由の売上が占める割合は34%にとどまり、スマートフォンの売上のうち67%が「iPhone」(アイフォーン)経由だったという。
IBMのデータもこうした傾向を裏打ちする。IBMによると、ブラックフライデー当日、米国の消費者のスマートフォン端末での注文1件あたりの平均消費額は117.87ドル(約1万4486円)で、同5%増加した。またタブレットをショッピングのツールとする人は減少傾向にあるという。
注目すべきは、中国の「ダブル11」がオンラインでの販売促進キャンペーンであるのと異なり、米国のブラックフライデーは実店舗が主力だということだ。アドビ発表のデータはブラックフライデーのすべての取引額ではない。
だがオンラインと実店舗の取引額を合算しても、ブラックフライデーは「ダブル11」のライバルにはなり得ない。米流通統計調査会社ショッパートラックが昨年発表したデータをみると、2014年のブラックフライデー売上高は114億ドル(約1兆4009億円)だ。ネット調査会社・星図数拠の統計では、14年の「ダブル11」当日の取引額は805億1100万元(約1兆5460億円)で、このうち天猫が70.9%にあたる571億元(約1兆964億円)に上った。
ブラックフライデーは一日あたりの取引額でダブル11に及ばないが、米国のセールシーズンの始まりという象徴的な意義がある。IBMの予測では、今年のクリスマスシーズンの米国全体でのネットショッピング額は700億ドル(約8兆6051億円)から950億ドル(約11兆6783億円)に上る見込みという。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年12月2日