輸入インフレのリスクは制御可能か?対応の仕方は? (2)

人民網日本語版 2021年05月14日14:09

リスクは全体的に制御可能

輸入インフレリスクは制御可能か。民生銀行の温彬首席研究員は、「最近、世界のインフレ観測が非常に大きな外部的影響をもたらし、このほど発表されたデータを見ると、構造的な特徴が現れている。それは川上の原材料製品の価格上昇だが、消費と最終商品にはまだ完全には波及していない」と述べた。

中国銀行研究院の范若瀅研究員は、「短期的に見て、中国は確かにある程度の輸入インフレ圧力に直面している。コモディティ価格の急上昇が石油関連産業と含鉄金属・非鉄金属関連業界の価格上昇を招き、さらにはPPI上昇率の中央値を全体的に押し上げた。しかしこれから全面的なインフレになる可能性は低く、インフレリスクは全体として制御可能だ」との見方を示した。

また范氏は、「まず、豚肉供給関係が好転を続けたことは、CPIの安定した運営にプラスだ。次に、中国の川下産業は競争が激しく、価格の硬直性が高く、PPIへのCPIのさらなる波及効果は目立たない。さらに、中国経済のファンダメンタルズは全体として安定しており、社会の総需給は基本的安定を維持するとみられ、全面的なインフレになる基礎は存在しない」と述べた。

同報告も、ここ数年、中国のPPIからCPIへの波及効果が目立って弱まり、国際市場のコモディティ価格が中国のCPIに与える影響は相対的に低い。これに中国の豚肉価格の全体的な低下、穀物の長年にわたる豊作が加わって、今年のCPI上昇幅は比較的緩やかになり、外部要因の影響は全体的に制御可能で、CPIは合理的な範囲で運営されると予想した。

業界関係者は、「目に見えるほどの輸入インフレが発生しても、中国にはそれに対応できる十分な政策の可能性と自信がある」と述べた。

范氏は、「中国には輸入インフレのリスクに対応できるという十分な自信がある。まず、中国は世界でも数少ない複数の金融政策が正常な範囲を維持するエコノミーであり、自国の経済運営状況に基づいて機動的な選択を行える。次に、中国には広大な需要市場と整った生産システムがあり、マクロな需給関係の安定を維持する上でプラスだ。最後に、中国はすでに世界最大の外資受け入れ国であり、年初以来、経常項目の貿易収支の黒字は高水準を維持し、外貨準備高も安定した状態が続いている」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年5月14日

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