コロナで団地封鎖、見ず知らずの男性3人が「同居」? (2)

人民網日本語版 2021年08月10日14:02

「同居」して2日目、内装職人の1人が妻と電話をしていた。それを聞いた黄さんは初めてその内装職人には双子の子供がいて、黄さんの子供が生まれた3日後に生まれたことを知った。「赤ちゃん」という共通の話題が見つかり、世話をする経験などを話しているうちに、黄さんは2人が遂寧市出身のいとこどうしで、苗字は羅であることを知った。

ホラー映画も3人の仲を一気に縮めたという。

黄さんは、「ホラー映画で怖いシーンを見た時には、素の部分が出るものだ。誰かがあるシーンを見てあまりに怖がっている時には、残りの2人が『そこまで怖くないだろう』と笑いながら突っ込む。そんなやり取りをしているうちに、だんだん打ち解けていった」と話す。

想定外の「お仕事」 近所の人が臨時アルバイト頼む

「コロナで団地が封鎖されている今、夏の天気よりも熱いのは人の心だ」と話す黄さんは、「団地の住人は微信のグループを通して僕たち3人のことを知り、毎日食事の時間になると、グループ内の人が『内装職人の2人はご飯食べた?』と聞いてくれる。また、団地が封鎖されて2人が内装の仕事ができないことを心配して、鏡や絵、浄水器を取り付けてほしいとか、給湯器を修理してほしいなどと連絡してきて、仕事をくれる住人もいる。ただ、みんなお金を渡したいと思っているものの、2人は受け取らない。だから、家にあるお菓子やアイスクリーム、ビールなどをもらって帰って来る」と説明する。

10日以上一緒に暮らし、3人はすっかり仲の良い友達になっている。その仲の良さは、職人2人が寝る時間が夜9時から12時過ぎに変わったことからもよく分かる。

3人は一緒にゲームをして、映画を見て、さらに一緒に食材なども買ってきて、一緒に料理もしているという。「みんな料理上手で、それぞれに得意料理がある」と話す黄さんは、毎回料理をスマホで撮影している。「後で振り返ると、とてもおもしろいと思う」と黄さんは語る。

想定外の「人気者」に 「ネットでこんなに注目を浴びるとは」

「以前は、みんなが団地内で他の住人と交流することはあまりなかった。でも、新型コロナの影響で封鎖され、みんなよく行き来するようになり、近所の人との距離が縮まった。これも、成都の人々のポジティブで、団結している一面だ」と黄さん。

インターネット上で大きな話題となり、黄さんらを取材するメディアも登場。さらに、微博の検索ランキングで急上昇している様子をスクリーンショットして黄さんに送信する友人もおり、「不思議な感じ。こんなに注目を浴びるとは予想外」と黄さんは言う。

それでも、黄さんの生活パターンが変わることはなく、8日午前も朝早くに起きて、朝食を準備し、仕事をした。その後、職人2人と一緒に昼食を作った。

「しばらくすれば、封鎖は解除され、普通の日常が戻るだろう。でも、今回の特別な経験は、僕の『人生の日記』において忘れがたい1ページとなるだろう。そこには、2人の内装職人の名前も刻まれることになる」と黄さんは語っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年8月10日

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