中国科学技術大学紫金山天文台2.5メートル大視野サーベイ望遠鏡プロジェクト責任者の朱青峰氏は、「2.5メートル大視野サーベイ望遠鏡プロジェクトがこのほど、土木工事と主体工事を完了し、現在はドームを建設しており、年内に初の観測を実現する」と述べた。新華社が伝えた。
青海柴達木(ツァイダム)循環型経済試験区冷湖工業パーク管理委員会によると、投資総額が20億元(1元は約19.2円)近くの計9件の光学天文望遠鏡プロジェクトが現在、青海冷湖天文観測拠点に入居している。
同拠点はツァイダム盆地北西部周辺の青海省海西蒙古(モンゴル)族蔵(チベット)族自治州茫崖市冷湖鎮賽什騰山地域に位置し、平均標高は約4000メートル。中国科学院などの科学研究機関が2017年以降、ここで天文台設置先の科学観測を共同展開している。
中国科学院国家天文台の研究員である鄧李才氏によると、冷湖賽什騰山地域のシーイングや晴夜時間などの光学天文観測に必要とされる重要観測データが優れており、世界一流の大型天文台所在地に匹敵することが、数年の観測結果によって明らかになっている。国際的に有名な科学誌「ネイチャー」が21年8月にこの科学研究の進展を発表すると、中国内外の天文学界から注目を浴びた。
ツァイダム循環型経済試験区冷湖工業パーク党委常務副書記で、管理委員会常務副会長の田才譲氏によると、複数の天文望遠鏡プロジェクトがここ数年、次々と冷湖天文観測拠点で着工されている。
うち西華師範大学による50BiN望遠鏡プロジェクトは、20年12月に正式に科学観測を開始した。国家天文台SONG望遠鏡プロジェクト、太陽磁場の正確な測量に用いられる中赤外線観測システムプロジェクト、紫金山天文台マルチ応用サーベイ望遠鏡アレイの4件のプロジェクトが、土木工事と主体工事を完了している。中国科学院地質・地球物理研究所のPAST及びTINTIN望遠鏡プロジェクトの投資額は6200万元で、うち惑星大気スペクトル望遠鏡のPASTは21年10月に望遠鏡の調整を完了した。
冷湖天文台設置先の発見は、中国の光学天文観測の発展を長期的に制約してきたボトルネックを打破し、東半球の国際レベルの優良天文台設置先の空白を埋めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年3月25日
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