最近、「オミクロンはインフルエンザのようなもの」や「新型コロナウイルスとの共存」といった主張をたびたび耳にするようになっている。しかし、「オミクロン株の流行がもたらす危害は依然として深刻で、新型コロナウイルス感染症は『きついインフルエンザ』では決してない」ということをはっきりと認識しておかなければならない。
関連の研究は、オミクロン株流行期間中の致死率は確かに下がってはいるものの、それが原因の死者数は、デルタ株の死者数を上回っていることを示しており、オミクロン株の流行がもたらす危害は依然として深刻だ。
中国国家衛生健康委員会・新型コロナウイルス対策指導グループ専門家グループのグループ長を務める梁万年氏によると、2020年4月以来、中国大陸部で散発的に確認されている感染者や局地的に発生する集団感染は全て輸入症例と関係がある。逆に言うと、中国国内では新型コロナウイルス感染症が封じ込められているということだ。このように苦労して獲得した対策の成果から、「動的ゼロコロナ」という方針は科学的、かつ効果的であることを裏付けており、中国が引き続き「動的ゼロコロナ」対策を実施する優れた基礎となっている。
(三)「動的ゼロコロナ」を実現する中国の底力はどこにある?
その答えは、中国共産党の状況を必死に好転させるという断固とした決意、社会主義制度により力を集結させて大きな事を成し遂げるという政治的優位性、命懸けでウイルスと闘う過程で増強し続けている防疫能力、新型コロナウイルスとの闘いにおいて自分にできることをして貢献する中国の全ての国民だ。
3月に入ってから、海外からの輸入症例リスクが目に見えて高まっており、オミクロン株の感染スピードの速さと感染者数の多さから、「動的ゼロコロナ」実現の難度も高まっている。そのため、さらに早急に感染者を発見し、さらにスピーディーに対応し、さらに徹底して対策を講じる必要性も高まっている。
社会主義制度の優位性を活用して新型コロナとの闘う強固な砦を構築
新型コロナウイルス感染拡大発生後、中国国務院共同対策メカニズム総合グループは、吉林省や広東省、山東省などに作業グループを派遣し、関連地域が秩序立てて、有効な新型コロナ対策を推進するよう指導してきた。
医療従事者は感染拡大が発生した地域の最前線に赴き、「方艙医院(臨時医療施設)」がスピーディーに建設され、食糧も確実に供給され、物流配送も秩序立てて、効率的に行われている。コミュニティスタッフも新型コロナとの闘いの第一線に立ち続け、一般の人々も積極的に防疫ルールを順守している。このように中国の全ての人が一致団結して、「一時停止」ボタンが押された都市を支えているのだ。
新型コロナとの2年の闘いで増強され続けている防疫能力
最近発表された新版「新型コロナウイルス肺炎診療案」は、感染者発見と報告の手順を最適化している。また、地域がPCR検査を計画・実施する際のガイドも示し、24時間で地域の検査を完了させるように指示している。また臨時医療施設の設置・管理規範を打ち出し、各省に対して、臨時医療施設を2-3ヶ所設置するように指示しているほか、「抗原検査+PCR検査」案を打ち出している。このように、中国は現在、さらにスピーディーで、効果的、科学的で、ターゲットをしぼった新型コロナ対策を実施しており、対策はより的確で方向性あるものになっている。
国民14億人の理解と支持が「ゼロコロナ」の基礎に
積極的にワクチンを接種し、積極的疫学調査や封鎖措置に協力し、PCR検査を受け、個人レベルでの感染対策を講じるといったように、習近平総書記を中心とする共産党中央委員会の力強い指導の下、中国の国民は心を一つにして、互いに助け合い、何度となくウイルスに打ち勝ってきた。
最新統計によると、中国全土でワクチン接種が完了している人の数は12億4000万人に達している。これは総人口の88.01%を占める数字となる。そのうち60歳以上の高齢者が2億1200万人に達している。中国の国民は現在、「動的ゼロコロナ」実現のために貢献していると言えよう。
(四)中国は新型コロナ対策と経済社会の発展の「ダブル勝利」をどのように実現?
新型コロナ対策を徹底して講じることを前提に、企業活動再開を推進し、生産と生活の秩序を回復させ、最小の代価で最大の対策効果を挙げ、新型コロナウイルス感染症の経済社会発展への影響を最大限小さくできるよう取り組むというのが中国の方針だ。
2021年、中国の国内総生産(GDP)は、前年比8.1%増の114兆元(1元は約19.2円)に達した。また、全国財政収入は前年比10.7%増の20兆元を超え、都市部の新規雇用者数は1269万人、食糧生産量は6億8500万トンに達するなど、過去最高を記録した。新型コロナ対策をしっかりと講じると同時に、中国は目を見張る発展の成績も収めているのだ。米「ニューヨークタイムズ」は3月21日付の報道で、「中国は依然として、世界のサプライチェーンに大きな影響を与えないようにしながら、新型コロナウイルス感染症を封じ込める可能性がある」と伝えた。
世紀の感染症が何度もリバウンドを繰り返しても、スピーディー、かつ効果的に対応できるかどうかによって、中国の予防管理能力やリスク管理が大いに試されことになる。感染モニタリング・警報、緊急対策などを加速させ、地域におけるPCR検査や抗原検査を科学的に計画し、収容すべき患者をできる限り収容し、隔離すべき濃厚接触者をできる限り隔離するなど、対策の各パート一つひとつを徹底して実行しなければ、スピーディーに「動的ゼロコロナ」を実現することはできない。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月1日