新型コロナウイルス感染症のパンデミックが現在も続いている中、中国各地でも最近、広い範囲で国内症例が拡大しており、その対策が正念場を迎えている。新華社が報じた。
習近平総書記は3月17日、自ら議長を務める中央政治局常務委員会会議で、「『人民至上、生命至上』の方針を貫き、科学的でターゲットをしぼった対策、社会の動的ゼロコロナを堅持し、新型コロナウイルス感染の拡散と蔓延を1日も早く抑え込まなければならない」と強調し、新型コロナ対策の方向性をさらに明確に示した。
中国は現在、新型コロナ感染拡大抑え込みにおいて、正念場を迎えているものの、中国には「ゼロコロナ」の方針を堅持する基礎と条件と能力を備えていることをはっきり認識すべきだろう。
(一) 中国が目指す「動態ゼロコロナ」とは?
中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は、「動的ゼロコロナ」の精髓について、「まずスピーディーであること、次にターゲットをしぼっていること」を挙げている。「動的」とは、感染者を全く出さないというわけではなく、感染者を発見したらすぐに封じ込め、大規模な感染再拡大のレッドラインを超えないようにするということだ。スピーディー、かつターゲットをしぼって対応する「ゼロコロナ」というのが、中国が新型コロナ感染拡大を抑制する極意となっている。
(二) 「動的ゼロコロナ」方針を貫く理由は?
「動的ゼロコロナ」は、中国の基本的国情にマッチしているほか、中国が終始堅持する「人民至上、生命至上」の防疫理念にもマッチしていることを、実践が証明している。
新型コロナウイルス感染拡大が発生して以降、一部の西洋諸国は、世界一流の医療技術があるにもかかわらず、「集団免疫」や「自然免疫」を獲得するという消極的な対応スタイルを採用したため、感染者数や死者数が高止まりしてしまった。世界保健機関(WHO)の最新統計によると、3月28日の時点で、世界の新型コロナウイルス感染症による死者数は累計で610万人を超えた。
米ジョンズ・ホプキンズ大学が発表している新型コロナウイルス感染症の統計によると、3月22日の時点で、米国の感染者数は累計で7978万人、死者数は97万人を超えた。これは世界でも最多の感染者数と死者数となっている。南カリフォルニア大学とプリンストン大学の研究によると、新型コロナウイルスによる肺炎が米国人の平均寿命を1.13歳押し下げたとしている。また米国小児科学会(AAP)と小児病院協会が発表した最新報告によると、新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大が発生して以降、感染した米国の児童の数は累計で1270万人を超え、感染者の約19%を占めているとしている。
中国の人口をめぐる国情は特殊であるため、積極的に新型コロナウイルス対策を講じ、「動的ゼロコロナ」を実現する必要性が高い。中国国家統計局の最新統計によると、中国の60歳以上の高齢者人口は2億6700万人、また0歳から14歳までの人口は2億5000万人以上となっており、高齢者と子供の人口規模は非常に大きい。新型コロナウイルス感染拡大が発生して以降、中国は積極的にワクチン接種を進めて、「免疫の万里の長城」を構築することを通じて、国民が感染して命に危険が及ぶことがないよう、終始取り組んできた。
またしっかりとした科学研究により、人口基数が14億人以上で、高齢者も非常に多いという国情の中国が、厳格な対策をすぐに講じて対応しなければ、感染しやすいグループの感染リスクが高まり、最終的に大規模な感染再拡大が発生し、想像もつかないような甚大な打撃を受ける可能性が高いことが証明されている。
生まれたばかりの幼児から、100歳を超えた高齢者に至るまで、感染者を一人も見落とさずに、全ての患者を治療するというのが中国の方針だ。新型コロナウイルス感染症と闘ってきたこの約2年間、中国は終始、国民の命の安全と健康を最重要事項としてきた。