市場調査機関のフロスト&サリバンは19日、「中国ディープラーニングソフトウェアフレームワーク市場研究報告書(2021)」を発表した。百度の飛槳(PaddlePaddle)が総合的な競争力で業界をリードし、MetaのPyTorchとグーグルのTensorFlowが続いた。科技日報が訴えた。
2015年以降、TensorFlowやPyTorchを始めとする海外のディープラーニングフレームワークが急速に発展し、業界を主導する地位を占めた。中国が初めて独自に研究開発した産業レベルディープラーニングプラットフォームの飛槳は、2016年に正式にオープンソース化した。中国における総合的な市場シェアは現在、PyTorchとTensorFlowを抜き首位になっている。
同報告書は、飛槳が「世界トップの人工知能(AI)技術、科学研究と産業がともに前進することを支えるコアフレームワーク、産業レベルオープンソースモデルベースを持つ開発プラットフォーム、中国一の開発者エコシステム」などのコアコンピタンスを持つとした。
百度の王海峰CTOが言うように、ディープラーニングはAIの工業化大生産段階への進出を推進した。今や成都国鉄が飛槳の「PaddleDetection」を利用し研究開発した「鉄道オンラインスマート巡回点検システム」が、鉄道巡回点検画像に対するリアルタイムの検査を実現している。飛槳の技術力により、スマート植物工場が機械による24時間の自動チェック、多面的な野菜の成長・収穫の見守りを実現している。以前は1人の農学専門家が1.3ヘクタールしかチェックできなかったが、現在は1人で4−6.7ヘクタールのチェックが可能だ。
一般人であっても、AI開発プラットフォームを使い名案を現実にできる。感染症の流行中、プログラミングをまったく知らない小学生の郭佳慧さんが飛槳の無制限AI開発プラットフォーム「EasyDL」を使い開発したマスク着用識別システムは、袖や腕で顔を隠す「不正」行為を見分けることができ、ダウンロード数が数千回にのぼった。
同報告書は、「世界の主流ディープラーニングソフトウェアフレームワークが、百花繚乱から少数のトップ争いに変わっている。百度の飛槳、騰訊(テンセント)の優図、華為(ファーウェイ)のMindSpore、阿里巴巴(アリババ)のXDLなどの中国産オープンソースディープラーニングソフトウェアフレームワークが高度化を加速している。中国はオープンソースフレームワークの体系化された展開を急速に形成中だ」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年5月20日