「YYDS」や「XSWL」、「NSDD」、「YYSY」といったZ世代がよく使うネットスラングの意味を、あなたは知っているだろうか?人民網が各社の報道をまとめて報じた。
実際には、Z世代がよく使うインターネット用語の多くは、中国語をピンイン(ローマ字)で表記し、その頭文字を取って略した「頭文字語」となっている。例えば、昨年の東京五輪開催期間中は、「YYDS」という略語が飛び交った。
「YYDS」というのは、「永遠の神」という意味の中国語のピンイン頭文字を取って略した「頭文字語」で、「神ってる」という意味で使われている。英語のGOAT(Greatest Of All Time)に相当する。
また中国語の「頭文字語」のほか、英語のフレーズも00後(2000年以降生まれ)のターゲットとなっている。
例えば、「NBCS」は、英語の「Nobody Cares」の略語で、「誰も気にしない」という意味だ。こうした略語は英語圏ではほとんど使われていないのに、中国のネット上では大流行しているという点は興味深い。さらに00後は、主語が三人称単数の時、動詞の最後に「s」をつけるというルールまできちんと守っている点もおもしろい。
実際には、効率よくコミュニケーションを取るために、英語圏で広く使われている英略語やスラングもたくさんある。
ASAP = As Soon As Possible (大至急)
BBS = Be Back Soon (すぐ戻る)
BFF = Best Friends Forever (ズッ友)
BTW = By The Way (ちなみに)
FYI = For Your Information (参考まで)
IMO = In My Opinion (私が思うに)
TBC = To Be Continued (つづく)
TTYL = Talk To You Later (また後でね)
こうした略語のほか、ネタ遊びもZ世代のネットスラングの重要な供給源となっている。昨年大流行した「人類におけるハイスペック男子」はその1例と言えるだろう。
「人類におけるハイスペック男子」というのは、ある男性が恋人探しのために撮影した動画をSNSにアップしたのがきっかけで話題となった。その動画の中で、男性は、「英語がペラペラで、金持ちで、パートナーとなる女性の全ての願いをかなえることができるボクは『ハイスペック男子』だ」と主張している。
これがきっかけとなり、若者たちは「ハイスペック人間」という言葉を使って、うぬぼれている人にツッコミを入れるようになった。
これ以外にも、Z世代は単語の一部を同音の他の漢字に変えたり、擬音語や擬態語を使ったりするのも得意で、そうすることでチャットを打ち解けた雰囲気に変えている。驚きを表す「呀」という漢字の代わりに「鴨」を使ったり、語気助詞の「吧」の代わりに物が破断したり叩く音を表現する擬音語の漢字「叭」を使ったり、「絶了(スゴイ)」をさらに強調させて「絶絶子(超すげぇ)」を使うなどがこうした例だ。
ただ、浙江省杭州市のある小学校の教師は、「生徒が作文にネット用語を使っていて、ガックリする時がある。例えば、とてもうれしいという意味の『真開心呀』を『真開心鴨』と書いていたり、『愛国』をテーマにした作文で『YYDS』を使って祖国を称賛したりしている」と嘆く。また、あるネットユーザーも、「ネット用語を使うようになったら、語彙が減ってしまい、どうやってもっと多種多様な言い方に切り替えたらいいのか分からなくなってしまった」という声を寄せている。
昨年の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)では、代表数人が、「ネット用語を整理しながら改善」したり、「下品な言葉を禁止」したりして、ネット用語の乱用を減らし、中国語の保護を強化しなければならないと指摘した。一方、多くの専門家は、「ネット用語を禁止する必要はない。ネット用語は言葉が移り変わる過程で生まれる自然の産物で、わざわざ禁止する必要はない」との見方を示している。
言語の変遷は、時代の発展だけでなく、今の社会文化や生活に対する心理も反映している。そういった側面から考えると、「今の若者はしゃべり方を知らない」と心配する必要はなく、どの世代の人にも自分たちの言葉のスタイルがあるものだということを認めるべきだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年6月10日