中国による恐竜の卵の研究、絶滅の新たなメカニズムを提示

人民網日本語版 2022年09月21日11:37

白亜紀後期の山陽盆地で生息していた3種の主な恐竜、オヴィラプトロサウルス、ハドロサウルス、ティラノサウルス(イラスト作成・趙闖)。

6600万年前の恐竜の絶滅の謎は常に、人々が注目するホットな問題だ。学術界はこれについて、有名なものでは小惑星の衝突など多くの仮説を唱えた。中国科学院古脊椎動物・古人類研究所が20日に発表した情報によると、中国の科学者は恐竜の卵の最新の研究で、恐竜の多様な進化を立脚点とし、恐竜絶滅の新たなメカニズムを提示した。関連成果はこのほど、国際的な学術誌「米国科学アカデミー紀要」に巻頭記事として掲載された。新華社が伝えた。

説明によると、科学研究チームは中国の恐竜の卵が多く埋まるエリア、陝西省の山陽盆地で1000点を超える恐竜の卵と卵の殻の標本を集めた。現地ではさらに少数のティラノサウルスと竜脚類の骨格が見つかった。これらの恐竜の卵と骨格の分析によると、山陽盆地の恐竜の多様性は絶滅前の約200万年にわたり、低い水準になっていた。今回の研究は中国のその他のエリアで発見された恐竜の化石と結びつけ、約7200万年前に中国の恐竜の多様性に顕著な減少傾向が見られるとした。これは北米西部の恐竜の化石の分布の特徴と相似する。

中国科学院古脊椎動物・古人類研究所が20日に公開した今回の研究に用いられた恐竜の卵の化石の標本(撮影・孫自法)。

今回の研究結果は、恐竜の絶滅プロセスとメカニズムを認識する新たな根拠と視点を提供した。恐竜は卵生で、卵の孵化の成功率は個体群の繁栄を直接左右した。恐竜の卵の孵化には適度な温度、湿度、さらには二酸化炭素濃度が必要だった。そのため今回の研究は後期白亜紀の自然生態系及び恐竜自身の変化に伴い、恐竜の多様性に持続的な衰退が発生し、恐竜という動物の環境への適応力が低下したとした。かつ火山爆発や小惑星衝突などの重大災害による環境の激変において生存・回復できなくなり、最終的に絶滅に向かったとした。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年9月21日

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