今月6日、トルコでマグニチュード(M) 7.8の地震が2度発生したのを受け、中国政府は時を移さず、緊急人道支援メカニズムを始動させ、複数の救助チームが被災地入りして支援を展開している。人民網ではトルコで救助活動を展開している中国の救助チームの動きを「トルコ地震救援日記」として追っていく。
トルコ現地時間2月11日午前9時ごろ、公羊救援隊のもとに、イスケンデルン市から救助を求める電話がかかってきた。11日早朝、倒壊した建物のがれきの下から人の声が聞こえたということだった。救助の要請を受けた現場はほど近かったので、隊員全員を集めて、5分後には出発した。
公羊救援隊のもとにかかってきた救助を求める電話(動画のキャプチャ画面)。
イスケンデルン市の位置(写真提供・何軍)。
約30分後、我々は今日最初の救助現場に到着した。行方不明者の弟が現場で位置の確認に協力してくれた。そしてがれきの中で、災害救助犬のラッキーが行方不明者の埋まっている場所を見つけたことを示す鳴き声をあげた。しかし、現場の倒壊状況は深刻で、救助作業は困難を極めることが予想され、ただただ順序に従って少しずつ作業を進めていくほかなかった。
災害救助犬ラッキーが見つけ出した行方不明者が埋まっているとみられる場所(動画のキャプチャ画面)。
救助現場において、公羊救援隊は救助活動計画を立て、掘り起こし作業を指導し、捜索と調査を担当している。一方、現地の救助隊員は、掘り起こしや障害物の撤去を行い、安全確保や現場管理は現地の軍隊が担当している。
クレーンによる作業を指揮する公羊救援隊の隊員(写真提供・公羊救援隊)。
現場の掘り起こし作業を指揮する公羊救援隊の王斌副隊長(写真提供・公羊救援隊)。
がれきの山の向こうには美しい地中海が広がっていたが、がれきの下には今も多くの人が生き埋めとなっている。
がれきの山の向こうに見える美しい地中海(動画のキャプチャ画面)。
各種大型設備が大きな音を鳴らしながら作業を続ける救助現場では、行方不明者が埋まっていると思われる場所を見つけても、ただちにその生存確認を行うことはできないのだ。
救助現場で作業の進め方について話し合う救援隊隊員(動画のキャプチャ画面)。
ディスクグラインダーで金属のパイプを切断し、クレーンで大きな梁や床スラブを吊り上げ、がれきが少しずつ撤去されていった。そして公羊救援隊の王斌副隊長が倒壊した建物の屋根の部分をはつり機で破砕した。
倒壊した建物の屋根の部分をはつり機で破砕する王斌副隊長(動画のキャプチャ画面)。
地中音響探知機やソナーを使って生存者を捜索する時は、全ての設備が作業を停止しなければならない。この数日で最も静かになった現場で、その場にいた全ての人々はじっと身動きもせず、奇跡の瞬間を待っていた。
その場でじっと身動きもせずに立ち、奇跡の瞬間を待つ救助隊の隊員たち(写真提供・公羊救援隊)。
騒がしい作業の音よりも、静けさの中で聞こえる鳥のさえずり声のほうが、とても切なく、胸が締め付けられるようで、1分1分がとてつもなく長く感じられた。
現地時間2月11日夜の時点で、公羊救援隊はトルコのハタイ県の4都市で、がれきの下敷きになっていた17人(うち7人が生存者)を発見した。また、現地の救助隊員に協力し、がれきの下敷きになっている行方不明者の位置特定に結び付く情報を提供した現場は14ヶ所(下敷きになっていた人の数は不明)となっている。
美しい地中海に涙は似合わない。我々は今後も奇跡が起きることを信じている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年2月13日