中国人民銀行(中央銀行)はこのほど、今年1月の金融データを発表した。それによると、同月には人民元建ての預金が6兆8700億元(1元は約19.6円)増加し、そのうち個人預金が6兆2千億元増加して同期の過去最高を更新し、前年同期より7900億元増加した。これほど規模の大きな個人預金は、これから市場に流れ込むだろうか。流れるとすればどの分野に向かうのか。
中国政府は最近、消費の回復・拡大を優先的な位置に置かなければならないとたびたび強調している。スイスのUBSグループのアジア経済研究主管で首席中国エコノミストの汪涛氏は、「2023年に市場に流れる巨額の預金は5千億元から6千億元に達するだろう。例年を上回る今年の預金資金の市場への流入ペースは、信頼感と経済回復のペースがどうなるかによって決まる。もし政府が一定の補助金を出して、経済が加速的に回復し、高い成長率が実現できれば、人々の信頼感も急速に回復し、例年を上回る預金の一部がより急速かつより多く市場に流れ込み、今年の貯蓄率が明らかに低下することになるだろう」との見方を示した。
浙商証券のチーフエコノミストの李超氏は、「2023年に人々の預金がどこに向かうかを考えると、実物部門と資本市場に分かれていくとみられ、そのうち(主体的な理由によらない)『受け身の預金』の一部は新型コロナウイルス感染症の状況が改善するにつれて徐々に市場に流れ込み、主に個人消費の回復と住宅購入の活発化に体現されることになるだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年2月17日