中国21世紀アジェンダ管理センターによると、157日に及ぶ2万2000カイリ以上の環オセアニア航行を経て、有人潜水船「奮闘者」号を搭載した科学調査船「探索1号」が11日、海南省三亜市の母港に無事帰還した。これは「奮闘者」号が世界初の環オセアニア有人深海潜水科学調査航行段階の任務を遂行したことを示している。科技日報が伝えた。
これは中国科学院深海科学・工学研究所が先頭となり発起した「世界の海淵・深海潜水探査計画」の第1段階科学調査航行段階だ。ニュージーランド国立大気水圏研究所(NIWA)、オークランド博物館、上海交通大学、浙江大学などの中国内外の10機関が参加。科学調査隊は南西太平洋のケルマディック海溝や南東インド洋のディアマンティーナ海溝などで体系的な有人深海潜水総合科学調査を行った。
「奮闘者」号は今回の航行段階の任務では、63回の有効潜水作業を遂行した。うちケルマディック海溝は31回で、水深1万メートル超は4回。ディアマンティーナ海溝は30回で、潜水ポイントは同海溝軸の異なる構造単元をほぼカバーした。これらの任務の遂行は、中国有人深海潜水科学調査をマリアナ海溝から世界複数の海淵・海溝に広げている。このほか科学調査隊は着底機の投入・回収、電気伝導度水温水深計(CTD)の水採取、重力柱状サンプリングなどの一般作業任務も遂行した。
今回の航行段階の任務では、ニュージーランドのNIWAとオークランド博物館の外国籍科学研究者5人が科学調査に参加し、「奮闘者」号の潜水に随行した。うちNIWAの科学者であるカリン・シュナーベル博士と中国科学院深海科学・工学研究所の潜水士の鄧玉清氏は同時に、人類史上初めてケルマディック海溝の最深部に到達した女性になった。
「奮闘者」号の現在までの潜水回数は累計189回で、うち1万メートル級は25回。中国内外の計23機関・102人が「奮闘者」号に乗って潜水しており、うち1万メートル級潜水をした人は29人。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年3月13日