2023年チョモランマ超高標高地域総合科学調査隊員は23日午前3時に標高8300メートルのチョモランマのキャンプから出発し、8時間のクライミングを経て、同日午前11時頃に標高8830メートルの世界最高標高の自動気象観測所に到達した。蓄電池を交換し、風速・風向センサーを設置するなど、約1時間の忙しい作業により、自動気象観測所のメンテナンス・アップグレード作業のすべてが完了した。新華社が伝えた。
重さ50キログラムに達する自動気象観測所が2022年、チョモランマ北壁の標高8830メートルの地点に設置され、世界の自動気象観測所の設置高度の記録が更新された。この作業は中国のチョモランマ地域超高標高気象観測記録の空白も埋めた。これにより、チョモランマ段状気象観測システムがほぼ完成した。
チョモランマ段状気象観測システムは8つの自動気象観測所からなり、それぞれ標高5200メートル、5400メートル、5800メートル、6350メートル、7028メートル、7790メートル、8300メートル、8830メートルのところに位置する。
中国科学院青蔵高原(チベット高原)研究所の趙華標研究員は取材に、「このような自動気象観測所はソーラーパネルと蓄電池の組み合わせで電力供給を行い、正常な状況下で数年にわたり持続的に使用できる。しかしチョモランマ超高標高地域は天気の変化が速く、風が強く気温が低い。これらは気象観測所の運営にとって大きな試練をもたらしている」と述べた。
趙氏はさらに、「今年はチョモランマの複数の超高標高自動気象観測所に対してメンテナンスを行った後、より長期間の気象観測データを取得すると同時に、6500メートル以下の自動気象観測所の降水量の観測を追加した。これはチョモランマ地域、さらには青蔵高原の気象・気候の変化の特徴の研究に対して重要な意義を持つ。超高標高地域の気象観測資料は世界的に非常に不足している。メンテナンスと技術アップグレードを終えた自動気象観測所の運営が始まってから、より完全な段状気象観測資料を取得し、ベールに包まれた青蔵高原の気候と生態環境の解明に用いることができる」と続けた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年5月25日