豊富な「風光」資源を持つ熱帯の島としての海南省は、新エネルギー発展の優位性に恵まれている。そして海南自由貿易港の建設が着々と進められる中、「クリーンエネルギー島の建設」が海南省の質の高い発展に必要不可欠なものになっている。経済日報が伝えた。
水の上で太陽光発電を行い、水中で魚やカニの養殖を行う。真夏の海南省儋州市光村鎮に足を踏み入れると、農地の間にある養魚池では人々に恩恵をもたらす生態系のシーンが広がっていた。青色のソーラーパネルが水上に整然と並び、その下で船に乗り通過する漁師の肩に光を注いでいた。
「これらのソーラーパネルは水面から2メートル以上離れている。太陽光を最大限に吸収し発電できるようにした上、漁師の日常的な餌やりなどの作業にも十分なスペースを提供している」。華電海南公司企画発展部職員の胡小彬氏は、目の前の華電儋州光村「農業・太陽光発電相互補完」プロジェクトを指差しながら、「現在このソーラーパネルの下では主にカニ、エビ、ティラピアなどを養殖している。ソーラーパネルに遮られるため、太陽光の水面への直接照射を効果的に減らし、藻類の過度な成長を抑制し、現地の養殖業に良好な水域環境を提供している」と述べた。
華電儋州光村「農業・太陽光発電相互補完」プロジェクトの総発電設備容量は100MWで、すべて系統接続・発電しており、海南省電力網に毎年約1億5000万kWhのクリーン電力を提供し、同等の電力供給量の火力発電所と比べ標準石炭の消費量を毎年4万8000トン減らし、二酸化炭素排出量を約12万トン削減する。
海南省は2020年に「海南エネルギー総合改革案」を発表し、「クリーンエネルギーを重点的に発展させ、海南クリーンエネルギー島を構築する。25年にクリーン・低炭素で、安全・効率的なエネルギー体制がほぼ完成し、クリーンエネルギー発電設備容量が占める割合が83%になり、クリーンエネルギー島が大まかに出来上がる。35年にエネルギーのクリーントランスフォーメーションをほぼ実現し、クリーンエネルギー発電設備容量が占める割合が89%に達し、海南クリーンエネルギー島がほぼ完成する」よう求めた。
海南全省統一調整総発電設備容量は22年に1164万8000kWにのぼり、クリーンエネルギー(ガスと電力を含む)の割合が76.3%となった。新エネルギー電力のフル消費を実現し、中国全土の平均水準を上回り、エネルギートランスフォーメーションで中国全土のトップレベルだった。
海口市中心部の道路、郷・鎮のマンションの下で未明、新エネルギー車が大小さまざまな充電ポールの前で「グリーンエネルギー」を受け取っていた。
「海南の独特な熱帯気候、独立した島の形態、豊富なクリーンエネルギーのサポートなどにより、海南省は新エネルギー車普及・発展の自然的な優位性に恵まれている」。海南省新エネルギー車促進センター経営管理部の郭国柱部長によると、今年6月末現在の海南省の新エネルギー車保有台数は23万6000台で、保有台数全体に占める割合は12.36%と全国の平均水準を上回っている。
海南省瓊海市博鰲(ボアオ)鎮では、初の太陽光蓄電自動車スマート充電スタンドが新たに建設された。このスタンドには8ヶ所の充電駐車スペースがあり、「デジタル化+スマート化」の運営方法を採用し、屋根の太陽光発電、蓄エネルギーシステムの蓄電、充電ポールの電力消費の複数技術を統合し、グリーンカーへのグリーン充電を実現している。一般的な電気自動車ならば10分でフル充電できる。
関係責任者は、「このスタンドは太陽光発電や風力発電などの新エネルギー電力の消費を促進し、全島の真の『グリーンカーへのグリーン充電』の実現に対してある程度のモデル的意義がある」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年8月1日