中国映画「人間蒸発」 悪役に國村隼
香港のサムレオン(梁徳森)監督が旗を振るサスペンス映画「人間蒸発」。セクシーな容姿で中国の男性をとりこにしているマルチタレント・柳岩(リウ・イエン)や香港を中心に活動する女優クリスティ・ チョンのほか、日本の國村隼なども出演し、昨年12月末にはポスターとイメージ画像が公表されるなど、少しずつその容貌が明らかになっている。新華網が報じた。
この中国産サスペンス映画としては過去最高の投資額を誇る同作品は、2012年春にクランクインし、全てのシーンを中国国外で撮影。大部分のシーンが東京の繁華街や富士山の温泉別荘だ。そんな同作品で、米映画「キル・ビル」(2003年)や邦画「アウトレイジ」(2010年)などにも出演し、今回が初の中国映画出演となった名優・國村隼は悪役を演じている。
同作品では、日本へ行って失踪してしまった中国人の若い女性を、ある姉妹が救出する姿を描いている。中国版「96時間/リベンジ」(米2008年)とも言えるだろう。制作側は最近、柳岩が登場する画像を公開。美しさに磨きがかかった柳岩の姿から、同作品の主演がたどる運命が垣間見える。
サムレオン監督は、1984年に訪日し日本映画学校で学んだ経験をもち、同校の創始者で日本を代表する映画監督・今村昌平監督の愛弟子だ。これまでに、R-15指定の「完全なる飼育--香港情夜--」やオカルト・ホラー映画の「もののけ」のほか、バイオレンス・アクションの「DOG BITE DOG」やアクション映画の「爆裂都市」など、さまざまなジャンルの映画の旗を振ってきたサムレオン監督は、撮影になると高い基準を求める。これも同作品が投資額の記録を作った要因の1つだ。
同作品のラストシーンの撮影のために、撮影グループは半月活動を停止して桜の花が舞い始めるのを待つほどのこだわりようだ。しかしプロデューサーが監督と“冷戦”を繰り広げる撮影停止期間中、出演者らは、日本の素晴らしい景色を満喫していたという。その結果、サムレオン監督が求めていた桜が舞う最高のシーンの撮影に成功している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年2月25日