国内で稼いだ金を国外で使う奇妙な現象
--中国は自国の消費者を取り戻すべき 毎年連休のたびに、中国人観光客が海外に大挙して押し寄せては商品を買い漁るというニュースが聞こえてくる。全世界が中国人観光客から金を稼ぐ方法を考えている今、われわれは感嘆するだけではなく、中国人がどうしても遠く海外まで買物に行かなければならない理由について考えてみるべきではないだろうか。「国内で稼いだ金を海外で使う」という奇妙な現象は、どうすれば変えられるのだろうか?「新華網」が伝えた。
昨年大陸部外を訪れた延べ8000万人以上の中国人観光客の圧倒的多数は価格に対して極めて敏感な理性的な消費者だ。新華社の調べでは、今や大多数の中国人観光客は海外での買物に関して目的やお目当ての商品をしっかりと決めており、買物前にショッピングサイト「淘宝網」の個人輸入代行店で価格を比較する人すら多くいる。
ベインキャピタルの研究では、昨年中国人は全世界の贅沢品消費の25%を占め、金額は3060億人民元にも達したが、その60%は国外での消費だ。ルイ・ヴィトンもエルメスも中国に店舗をオープンしたというのに、なぜみな外国へ買いに行くのだろうか?
理由は簡単だ。価格だ。高い輸入関税その他各種の税によって同じ商品でも国内外で大きな価格差がある。海外での買物時に、その安さに驚きの声を上げる中国人が少なくないのも無理はない。ベインキャピタルのまとめによると、中国人消費者が価格に敏感になるに伴い、中国大陸部での贅沢品市場の成長は一昨年の30%から昨年は7%へと大きく減速。一方、同時期の中国人による海外での贅沢品購入総額は31%と急増した。
どうしてもこうしたお金を使わなければならないのだとしたら、なぜ自分の国では使わないのか?確かに利益の主要部分は依然ブランド側に持って行かれるが、少なくとも小売業の雇用機会、消費税、店舗の家賃、物流・配送・飲食など一連の関連利益は国内に留まる。このため、関税を大幅に引き下げ、様々な国内税を引き下げ、良好な商業環境を整えることが、政府当局の早急な解決を要する問題となっている。一体高い関税率によってもたらされる利益が大きいのか、それとも国内小売業の発展を促すことによってもたらされる利益が大きいのか、関係当局ははっきりと算出すべきだ。