ネット上で繁体字VS簡体字の大論争が巻き起こる=中国
香港の著名俳優・黄秋生(アンソニー・ウォン)がこのほど中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に投稿した文章が元で、現在ネット上で激しい議論が巻き起こっている。「中国で正体字(繁体字:香港、マカオ、台湾で主に使用される)を書いても、半数以上の人が読めない。華夏(中華)文明は中国大陸部ですでに死んでしまった」という一言に、一瞬にしてネットユーザーが激しく反論。その後、ネット上では引き続き「漢字の簡体字VS繁体字の論争」が巻き起こっている。「人民日報」が伝えた。
実際、簡体字が漢字の総数に占める比率はあまり大きくない。日常的に使用される約7000文字のうち、簡体字は全体の約31%だ。現代漢語辞典が収録している1万3000文字の中では、簡体字は17%に過ぎない。簡体字の独体字(2つ以上の字形要素に分けられない漢字)は計482文字、偏やつくりに分けられる漢字は1753文字。これらを足すと、大陸部で使用されている簡体字は計2235文字となる。このほかの漢字は「伝承字」と呼ばれる漢字、つまり繁体字と簡体字の形が全く同じ漢字で、大陸部、香港、マカオ、台湾で共通して使われている。
現在の簡体字の大部分は古代の簡体字をもとにしており、一部は草書や行書から来ている。このほか、「古本字」(古代から伝わる本来の文字)と言われる文字もある。新中国政府が大衆の意見を元に創った文字はごく少数だ。これらの簡体字は中国の歴代王朝が長い年月をかけて形成したものと言える。大部分は長い歴史の中で次第に定着して一般的に認められたものであり、中華漢字の体系の外に排斥されるべきものではない。